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2026.02.09

歯石を自分で取る方法|実は逆効果?正しい知識とリスク

歯石を自分で取る方法|実は逆効果?正しい知識とリスク

歯石を自分で取ろうとしている女性

こんにちは。医療法人 札幌矯正歯科 宮の沢エミル矯正歯科の理事長の尾立卓弥です。札幌で矯正歯科を検討中の方は、ぜひ医療法人 札幌矯正歯科 宮の沢エミル矯正歯科でご相談ください。鏡を見て歯の裏側に付着した黄色や黒っぽい歯石が気になり、「歯医者に行かずに自分で取る方法はないか」とお探しではありませんか?市販のスケーラーなどの器具を使えば手軽に除去できそうに思えるかもしれませんが、結論から言うと、ご自身で安全に歯石を取る方法はなく、大変危険な行為です。この記事では、なぜ自分で歯石を取るのが逆効果なのか、歯や歯茎を傷つける具体的なリスクを専門的な視点から徹底解説します。さらに、唯一の正しい除去方法である歯科医院でのクリーニング内容や保険適用時の費用、そしてこれ以上歯石を増やさないための日々の正しいセルフケア方法まで、網羅的にご紹介します。取り返しのつかない事態になる前に、この記事で歯石に関する正しい知識を身につけ、健康的で美しい口内環境を取り戻しましょう。

目次

1. 結論 歯石を自分で取る方法はなく危険が伴う

多くの方が「歯に付いた硬い塊を自分で取り除きたい」と考え、その方法を探しているかもしれません。しかし、結論から申し上げますと、ご自身で安全かつ完全な歯石除去を行う方法は存在しません。歯石は、歯垢(プラーク)が唾液中のミネラル成分と結びついて石のように硬化したものであり、歯の表面に強力に固着しています。これを無理に取ろうとすることは、専門的な知識や技術、そして専用の器具がなければ極めて危険です。

安易に手を出してしまうと、お口の健康を大きく損なう可能性があります。具体的には、以下のような重大なリスクが伴います。

  • 歯や歯茎を傷つけてしまう
  • 傷口から細菌が入り込み、感染症を引き起こす
  • 歯の表面が荒れて、かえって歯石が付きやすくなる

これらのリスクについて、次項から詳しく解説します。

1.1 歯や歯茎を傷つける重大なリスク

歯石は歯のエナメル質に非常に強く付着しているため、市販の器具などで無理に剥がそうとすると、歯石だけでなく健康な歯の表面まで一緒に削り取ってしまう危険性があります。エナメル質は一度削れると再生しません。その結果、歯がしみやすくなる「知覚過敏」や、虫歯になりやすい状態を自ら作り出してしまうことになりかねません。

また、器具の先端が誤って歯茎に刺さったり、滑って粘膜を切り裂いたりするケースも少なくありません。特に歯と歯茎の境目にある「歯周ポケット」の内部に付着した歯石を取ろうとすると、デリケートな歯肉を傷つけ、歯周病を悪化させる原因にもなります。

自分で歯石を取ろうとした場合の具体的なリスク
行為 起こりうる重大なリスク
硬い器具で歯の表面を擦る エナメル質を削り取り、知覚過敏や虫歯のリスクを高める。
器具の先端で歯茎を突く 歯茎を傷つけ、出血や炎症、歯肉退縮(歯が長く見える状態)を引き起こす。
歯周ポケットに器具を入れる 歯周ポケットの内部を傷つけ、歯周病を悪化させる。

1.2 細菌が入り込み感染症を引き起こす可能性

そもそも歯石の正体は、細菌の死骸や生きた細菌が塊になったものです。つまり、歯石自体が巨大な細菌の塊なのです。ご自身で歯石除去を試みた際、多くの場合で歯茎から出血します。その傷口から、歯石に含まれる無数の細菌が血管内に侵入してしまう可能性があります。

これにより「菌血症」という状態を引き起こし、血液を通じて細菌が全身に運ばれてしまうリスクがあります。健康な方であれば体の免疫機能で大事に至らないことが多いですが、持病をお持ちの方や免疫力が低下している方の場合、心内膜炎などの重篤な全身疾患につながる危険性もゼロではありません。歯科医院では、徹底した衛生管理下で適切な器具操作を行うことで、こうしたリスクを最小限に抑えています。

1.3 歯の表面がザラザラになり歯石が再付着しやすくなる

たとえ運良く歯石の一部を自分で取り除けたとしても、その後の処置ができないため、歯の表面は目に見えないレベルで傷つき、ザラザラな状態になってしまいます。滑沢な面よりも粗造な面のほうが汚れが付着しやすいように、ザラザラになった歯の表面は、歯垢(プラーク)が再び付着するための絶好の足場となります。

結果として、せっかく歯石を取ったにもかかわらず、以前よりも格段に歯垢や歯石が付きやすい口腔内環境を作り出してしまうという、本末転倒な事態に陥ります。歯科医院では、専用の機器と研磨剤を用いて歯の表面をツルツルに磨き上げる「ポリッシング」という処置を必ず行い、歯石の再付着を予防します。このプロによる仕上げの工程こそが、お口の健康を維持する上で非常に重要なのです。

2. そもそも歯石とは?歯垢との違いとできる原因

歯石を自分で取ろうと考える前に、まずは歯石がどのようなものなのか、なぜできてしまうのかを正しく理解することが重要です。歯石の正体を知ることで、ご自身での除去がいかに危険で、歯科医院での専門的なケアがいかに大切かが見えてきます。

2.1 歯石の正体は歯垢が石灰化した細菌の塊

歯石とは、一言でいえば「歯垢(プラーク)が唾液の成分によって石灰化し、石のように硬くなったもの」です。 歯の表面に付着するネバネバとした白い物質が歯垢(プラーク)で、これは単なる食べかすではなく、1mgあたりに1億個以上の細菌が存在する「細菌の塊」です。

この歯垢を歯磨きで除去しきれずに放置していると、唾液に含まれるカルシウムやリンといったミネラル成分と結びつき、硬化し始めます。 個人差はありますが、歯垢はわずか2〜3日で石灰化を始め、約2週間で完全な歯石に変化するといわれています。 一度歯石になってしまうと、歯に強力に固着するため、毎日の歯磨きで取り除くことはできません。

歯石そのものが直接虫歯や歯周病を引き起こすわけではありませんが、歯石の表面はザラザラしているため、新たな歯垢が付着しやすくなる「細菌の温床」となります。 これにより、歯周病菌が増殖し、歯茎の炎症や口臭といったトラブルを引き起こす原因となるのです。

歯垢(プラーク)と歯石の主な違い
項目 歯垢(プラーク) 歯石
正体 細菌の塊 歯垢が石灰化したもの
白色、黄白色 灰白色、黄白色、黒褐色
硬さ 柔らかくネバネバしている 石のように硬い
除去方法 歯磨きやデンタルフロスで除去可能 歯磨きでは除去できず、歯科医院での専門的な器具が必要

2.2 歯石ができやすい場所とセルフチェック方法

歯石は、お口の中のどこにでもできるわけではなく、特に付着しやすい場所があります。ご自身の口の中をチェックしてみましょう。

2.2.1 歯石ができやすい主な場所

  • 下の前歯の裏側(舌側): この場所は「舌下腺」や「顎下腺」といった大きな唾液腺の出口が近くにあるため、唾液の影響を受けやすく、歯石が最もできやすい場所として知られています。
  • 上の奥歯の外側(頬側): 耳の下あたりにある「耳下腺」という唾液腺の出口が近いため、こちらも歯石が付着しやすい場所です。
  • 歯と歯の間: 歯ブラシの毛先が届きにくく、磨き残しが多いため歯垢が溜まりやすく、歯石ができやすいです。
  • 歯と歯茎の境目: 歯周ポケットと呼ばれる溝があり、汚れが溜まりやすく歯石の温床となります。

2.2.2 自分でできる歯石のチェック方法

鏡を使って、特に上記で挙げた「歯石ができやすい場所」を注意深く見てみましょう。歯の表面や歯と歯茎の境目に、白や黄色っぽい塊が付いていないか確認します。また、舌で歯の裏側を触ってみて、ザラザラとした感触があれば、それは歯石が付着しているサインかもしれません。 歯垢染め出し液(プラークチェッカー)を使ってみると、磨き残しのある場所が赤く染まり、歯石になる前の歯垢の付着箇所を特定しやすくなります。

ただし、歯茎の中にできる「歯肉縁下歯石」は黒っぽく硬いのが特徴で、肉眼ではほとんど確認できません。 歯茎からの出血や腫れがある場合は、見えない部分に歯石が溜まっている可能性が高いため、早めに歯科医院を受診することが重要です。

3. 市販の歯石取り器具(スケーラー)で自分で取る危険性

インターネット通販やドラッグストアなどで、歯石を自分で取ることができると謳った「スケーラー」と呼ばれる器具が販売されています。歯科医院へ行く手間が省け、費用も抑えられるため魅力的に感じるかもしれませんが、専門知識のない方が市販のスケーラーを使用することは、非常に危険な行為です。安易な使用は、お口の健康を深刻に害する取り返しのつかない事態を招く可能性があります。

3.1 プロ用と市販品は全くの別物

歯科医院で歯科医師や歯科衛生士が使用するスケーラーと、市販されているスケーラーは、見た目が似ていても全くの別物です。プロが使用する器具は、患者さん一人ひとりのお口の状態に合わせて的確に歯石のみを除去できるよう、材質、形状、鋭さが精密に設計されています。一方、市販品は誰でも手に入れられる反面、その安全性や効果は保証されていません。

プロ用スケーラーと市販スケーラーの比較
比較項目 歯科医院のプロ用スケーラー 市販のスケーラー
使用者 国家資格を持つ歯科医師・歯科衛生士 専門知識のない一般の方
形状・種類 歯の部位や歯周ポケットの深さに合わせ、数百種類もの中から最適なものを選択 数種類のみで、複雑な歯の形態に対応できない
鋭利さ 歯石を的確に除去できる鋭さを持ち、定期的に研磨して維持される 切れ味が悪く、余計な力が必要になりやすい
衛生管理 高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)で完全に滅菌処理されている 滅菌されておらず、感染症のリスクが非常に高い

3.2 使い方を誤ると取り返しのつかない事態に

専門家は、解剖学的な知識と長年の訓練に基づき、指先の繊細な感覚で歯石の位置を特定し、ミリ単位の正確さで器具を操作します。 見よう見まねで市販のスケーラーを使用すると、以下のような深刻なトラブルを引き起こす可能性があります。

3.2.1 歯のエナメル質を削ってしまう

歯の表面を覆うエナメル質は、人体で最も硬い組織ですが、一度削れてしまうと二度と再生しません。 市販のスケーラーで力任せに歯をガリガリとこすると、歯石だけでなく健康なエナメル質まで削り取ってしまう危険性があります。 エナメル質が傷つくと、表面がザラザラになり、かえって歯垢や歯石が付着しやすくなる悪循環に陥ります。さらに、外部からの刺激が神経に伝わりやすくなり、知覚過敏を引き起こしたり、虫歯菌が侵入しやすくなったりするリスクも高まります。

3.2.2 歯周ポケットを傷つけ歯周病が悪化する

歯と歯茎の境目にある溝を「歯周ポケット」と呼びます。健康な状態では深さ1〜3mm程度ですが、歯周病が進行すると深くなっていきます。 この歯周ポケットの内部は非常にデリケートな組織です。

市販のスケーラーの先端で歯茎を突き刺してしまうと、出血や炎症を引き起こすだけでなく、歯周ポケットをさらに深くしてしまう可能性があります。 深くなった歯周ポケットの奥には、歯周病菌の温床となる「歯肉縁下歯石」が隠れていますが、これは専門家でなければ位置の特定も除去も不可能です。 不適切なセルフケアは、歯周病を改善するどころか、かえって症状を悪化させ、最悪の場合、歯を支える骨を溶かしてしまうことにも繋がりかねません。

4. 歯石を自分で取ろうとせず安全に除去する方法

歯石は一度付着すると歯磨きでは取り除けず、放置すると歯周病や口臭の悪化につながる可能性があります。 自分で無理に取ろうとすると歯や歯茎を傷つけるリスクがあるため、安全かつ確実に取り除くには専門家の力を借りることが不可欠です。

4.1 唯一の正しい方法は歯科医院でのクリーニング

結論として、歯石を安全かつ完全に取り除く唯一の方法は、歯科医院で専門的なクリーニングを受けることです。 歯科医師や歯科衛生士は、専門的な知識と技術、そして専用の滅菌された器具を用いて、ご自身では見えない・届かない部分の歯石まで徹底的に除去します。 自己判断で市販の器具を使って歯石を取ろうとすると、エナメル質を傷つけたり、歯茎を傷つけて逆に出血や炎症を悪化させたりする危険性が非常に高いため、絶対に避けるべきです。

4.2 歯科医院で行う歯石取り(スケーリング)とは

歯科医院で行われる専門的な歯石除去のことを「スケーリング」と呼びます。 これは、スケーラーと呼ばれる専用の器具を使い、歯の表面や歯と歯茎の境目(歯周ポケット)にこびりついた歯石を効果的に取り除く治療です。

スケーリングでは、主に2種類のスケーラーが用いられます。

  • 超音波スケーラー: 毎秒数万回の微細な振動と水の噴射を利用して、硬く大きな歯石を効率よく粉砕・除去します。
  • ハンドスケーラー: 歯科衛生士が手で操作する器具で、超音波スケーラーでは届きにくい細かい部分や、歯周ポケットの奥深くにある歯石を一つひとつ丁寧に取り除きます。

通常、これらの器具を使い分けることで、徹底的に歯石を除去します。 歯石除去後には、歯の表面を滑らかにする「ポリッシング(研磨)」を行い、汚れの再付着を防ぎます。 これにより、歯がツルツルになり、爽快感を得ることができます。

4.3 歯石取りにかかる費用と時間の目安

歯石取りにかかる費用や時間は、保険が適用されるか、自費診療になるかによって大きく異なります。 これは、歯石取りが「歯周病の治療」として行われるか、「予防や審美」を目的として行われるかによる違いです。

4.3.1 保険適用の場合

歯肉炎や歯周病と診断された場合、その治療の一環として行われる歯石取りは保険適用となります。 多くの人がこちらのケースに該当します。

項目 内容
目的 歯周病・歯肉炎の治療
費用目安(3割負担) 初診で約3,000円~4,000円程度 (初診料、レントゲン撮影、歯周病検査などを含む)
時間目安 1回あたり約30分~60分
回数 歯石の付着量が多い場合や、歯茎の深い部分に歯石がある場合は、歯茎の状態を改善させながら行うため、複数回(2回~6回程度)に分けて行われることが一般的です。

4.3.2 自費診療(クリーニング)の場合

虫歯や歯周病の治療が目的ではなく、「予防」や「着色汚れの除去(審美)」を目的とする場合は自費診療となります。 PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)と呼ばれる、より専門的で丁寧なクリーニングがこれにあたります。

項目 内容
目的 虫歯・歯周病の予防、着色除去(ステインオフ)、審美性の向上
費用目安 約5,000円~20,000円程度 (歯科医院や施術内容によって大きく異なる)
時間目安 1回あたり約60分~90分
内容 保険診療のスケーリングに加え、専用のフッ素配合ペーストや器具を使い、歯の表面の着色や細菌の膜(バイオフィルム)を徹底的に除去します。 痛みも少なく、爽快感が得られ、歯本来の白さに近づける効果や歯質を強化する効果も期待できます。

どちらが良いかは個人の口腔内の状態や目的によって異なります。まずは歯科医院で検査を受け、歯科医師や歯科衛生士に相談し、自分に合った方法を選ぶことが重要です。

5. これ以上歯石を増やさないための正しい予防方法

一度硬くなってしまった歯石は、残念ながら歯磨きで取り除くことはできません。しかし、歯石の「原因」である歯垢(プラーク)の段階であれば、毎日のセルフケアで徹底的に除去することが可能です。これ以上歯石を増やさないためには、日々の正しいオーラルケアが最も重要になります。

5.1 歯石の原因となる歯垢を徹底除去する歯磨き

歯石は、歯垢が唾液中のカルシウムなどと結びついて石灰化したものです。 歯垢は食事の後8時間程度で形成され始め、わずか2日ほどで硬い歯石に変わってしまうと言われています。 そのため、歯石を予防するには、歯垢が硬くなる前に毎日の歯磨きで確実に取り除くことが不可欠です。

5.1.1 歯ブラシの選び方と正しい磨き方

効果的に歯垢を除去するためには、自分に合った歯ブラシを選び、正しい方法で磨くことが大切です。以下のポイントを参考に、毎日の歯磨きを見直してみましょう。

歯ブラシの選び方

  • ヘッドの大きさ:小さめのものがおすすめです。大きいと奥歯の裏側など、細かい部分に届きにくくなります。
  • 毛の硬さ:「ふつう」が基本です。硬すぎると歯や歯茎を傷つける原因になり、柔らかすぎると歯垢を十分に落とせないことがあります。歯茎がデリケートな方は「やわらかめ」を選びましょう。
  • 交換時期:毛先が開いてきたら交換のサインです。一般的に1ヶ月程度での交換が推奨されています。毛先が開いた歯ブラシでは、清掃効果が大きく低下してしまいます。

正しい歯の磨き方

ゴシゴシと力を入れて磨くのは逆効果です。歯や歯茎を傷つけるだけでなく、毛先が寝てしまい、肝心な歯と歯茎の境目の溝(歯周ポケット)に届きません。

  1. 持ち方:鉛筆を持つように軽く握ります。
  2. 当てる角度:歯と歯茎の境目に対して、45度の角度で毛先を当てます。
  3. 動かし方:5mm~10mm程度の幅で小刻みに動かし、1~2本ずつ丁寧に磨くことを意識しましょう。
  4. 磨く順番:磨き残しを防ぐために、磨く順番を決めておくと効果的です。

特に、下の前歯の裏側や上の奥歯の外側は唾液腺の出口に近く、歯石が付きやすい場所なので、意識して丁寧に磨きましょう。

5.1.2 デンタルフロスや歯間ブラシの活用

歯ブラシだけでは、歯と歯の間の歯垢を60%程度しか除去できないと言われています。 歯と歯の間や、歯と歯茎の境目は歯垢が残りやすく、歯石ができやすい場所です。 そこで、デンタルフロスや歯間ブラシといった歯間清掃用具の併用が不可欠になります。これらを併用することで、歯垢の除去率は80%以上に向上します。

種類 特徴とおすすめな方 基本的な使い方
デンタルフロス 歯と歯の隙間が狭い方や、歯間ケアが初めての方におすすめです。 ホルダーに糸が付いている「Y字型」や「F字型」のタイプと、指に巻きつけて使う「ロールタイプ」があります。 歯と歯の間にゆっくりと挿入し、歯の側面に沿わせるようにして上下に数回動かして歯垢を絡め取ります。
歯間ブラシ 歯と歯の隙間が広い方、ブリッジ治療をしている方におすすめです。 隙間の大きさに合ったサイズを選ぶことが重要で、無理に挿入すると歯茎を傷つける原因になります。 歯と歯の間にまっすぐ挿入し、前後に数回動かして清掃します。 ワイヤータイプは曲げずに使用しましょう。

デンタルフロスや歯間ブラシは、1日1回、特に就寝前の歯磨きの際に使用するのが効果的です。 順番としては、歯磨きの前にフロスや歯間ブラシを通すことで、歯間の汚れを先に取り除き、歯磨き粉の有効成分が行き渡りやすくなるという研究結果もあります。

5.2 歯石の沈着を防ぐ成分配合の歯磨き粉を選ぶ

毎日の歯磨きをさらに効果的にするために、歯磨き粉の成分にも注目してみましょう。歯石の沈着を防ぐ効果が期待できる薬用成分が配合された歯磨き粉を選ぶことをお勧めします。

市販の歯磨き粉には様々な種類がありますが、パッケージの裏側にある成分表示を確認し、目的に合ったものを選びましょう。

目的 有効成分の例 主な働き
歯石の沈着を防ぐ ポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ゼオライト 歯の表面から歯垢を引き離し、歯垢が石灰化して歯石になるのを防ぎます。
歯垢を分解する デキストラナーゼ(酵素) 歯垢そのものを化学的に分解し、除去しやすくします。
細菌の増殖を抑える 塩化セチルピリジニウム(CPC)、イソプロピルメチルフェノール(IPMP) 歯垢の原因となる細菌を殺菌し、歯垢の形成を抑制します。
歯質を強化する フッ化ナトリウム(フッ素)、モノフルオロリン酸ナトリウム 歯の再石灰化を促進し、歯質を強化することで虫歯を予防します。歯垢が付着しにくくなる効果も期待できます。

これらの成分は、あくまで歯石の「沈着を防ぐ」ためのものであり、すでに付着してしまった歯石を溶かしたり、除去したりする効果はありません。自分にどの歯磨き粉が合っているか分からない場合は、歯科医師や歯科衛生士に相談してみましょう。

6. 歯石に関するよくある質問

歯石について、多くの方が抱える疑問にお答えします。自己判断で誤ったケアをしてしまう前に、ぜひ参考にしてください。

6.1 爪や楊枝でカリカリ歯石を取るのは大丈夫?

結論から言うと、爪や楊枝で歯石を取ることは絶対にやめてください。手軽にできるように感じられるかもしれませんが、歯や歯茎にとって非常に危険な行為です。爪や楊枝の先端は硬く鋭利なため、歯の表面にあるエナメル質を傷つけたり、歯茎を刺してしまったりするリスクが非常に高いです。 歯の表面にできた目に見えない細かい傷は、細菌の温床となり、かえって歯垢や歯石が付きやすい状態を招くだけでなく、虫歯や歯周病を引き起こす原因にもなりかねません。 安全かつ確実な歯石除去は、必ず歯科医院で行うようにしましょう。

6.2 歯石が自然にポロっと取れたけど放置していい?

歯石が自然に取れること自体、お口の中の危険信号である可能性が非常に高いため、決して放置してはいけません。 歯石が自然に剥がれ落ちる主な原因として、以下のような状況が考えられます。

  • 歯石が非常に大きく成長していた:歯磨きなどで一部が欠け落ちるほど、歯石が大量に蓄積していたサインです。
  • 歯周病が進行している:歯周病によって歯茎が炎症を起こしたり、歯を支える骨が溶かされたりすることで、歯と歯石の付着が弱まり、剥がれ落ちることがあります。 見えている歯石が取れても、歯周ポケットの奥深くには、より問題のある「縁下歯石」が残っている可能性が高いです。

取れた部分を放置すると、隠れていた虫歯が進行したり、歯周病がさらに悪化したりする恐れがあります。 歯石が自然に取れた場合は、安心するのではなく、「お口の専門的なチェックが必要なサイン」と捉え、速やかに歯科医院を受診してください。

6.3 歯石取りは痛い?痛みを感じる原因と対処法

歯科医院での歯石取り(スケーリング)は、基本的に大きな痛みを伴う処置ではありません。 しかし、お口の状態によっては痛みを感じることがあります。その主な原因と対処法を知っておくことで、不安を和らげることができます。

痛みを感じる主な原因 歯科医院でできる対処法
歯茎の炎症 歯肉炎や歯周病で歯茎が腫れていると、器具が触れるわずかな刺激でも痛みや出血を感じやすくなります。 事前に歯科医師や歯科衛生士に痛みが不安なことを伝えましょう。場合によっては、炎症を抑えるための歯磨き指導を先に行うこともあります。
歯周ポケットの奥の歯石除去 歯茎の下(歯周ポケット深く)に付着した硬い歯石を取り除く際は、健康な歯茎でも痛みを感じることがあります。 表面麻酔(塗るタイプやスプレータイプ)を使用することで、器具が触れる感覚を和らげることができます。
知覚過敏 歯石を除去することで、今まで覆われていた歯の根の部分が露出し、水や器具の振動がしみることがあります。 痛みが強い場合は、局所麻酔(注射)を使用して無痛の状態で処置を受けることも可能です。 無理せず相談しましょう。
大量の歯石が付着している 歯石の量が多く、硬くこびりついている場合、除去にある程度の力や時間が必要になり、刺激を感じやすくなります。 超音波スケーラー(機械)の出力を調整したり、手用の器具(ハンドスケーラー)で丁寧に除去したりと、状態に合わせて器具を使い分けてもらうことができます。

歯石取りの痛みが不安な方は、事前にその旨を歯科医院に伝えることが非常に重要です。 歯科医師や歯科衛生士は、痛みを最小限に抑えるための様々な方法を提案してくれます。安心してクリーニングを受け、お口の健康を維持しましょう。

7. 矯正治療中の歯石について

歯列矯正は美しい歯並びを手に入れるための素晴らしい治療ですが、治療期間中は普段以上に口腔ケアへの配慮が必要になります。特に、矯正装置の周りには汚れが溜まりやすく、歯石が付着しやすい状態になるため注意が必要です。

7.1 矯正治療中に歯石は付きやすい?

結論から言うと、矯正治療中は普段よりも歯石が付きやすくなります。その主な理由は、矯正装置が口腔内の清掃性を低下させるためです。ワイヤーやブラケットといった複雑な構造の装置が歯に装着されることで、歯ブラシが届きにくい箇所が増え、歯垢(プラーク)が残りやすくなります。 この磨き残された歯垢が、唾液に含まれるカルシウムなどと結合して石灰化し、硬い歯石へと変化するのです。

特に、ワイヤー矯正(マルチブラケット装置)の場合は、装置の周りやワイヤーの下などが歯石の好発部位となります。 一方、マウスピース型矯正(インビザラインなど)は装置を取り外して歯磨きができるため清掃しやすいですが、アタッチメントと呼ばれる歯の表面の突起物の周りや、マウスピース自体の洗浄が不十分だと歯石が付着することがあります。

歯石を放置すると、虫歯や歯周病のリスクを高めるだけでなく、歯石が歯の動きを妨げてしまい、矯正治療が計画通りに進まなくなる可能性もあるため、徹底した予防と定期的な除去が不可欠です。

7.2 いつも通っている歯医者で歯石を取ってもらってもいい?

矯正治療中に歯石が付いてしまった場合、自己判断でかかりつけの一般歯科を受診する前に、まずは矯正治療を受けている歯科医院に相談することが最も重要です。なぜなら、矯正装置は非常にデリケートであり、専門的な知識がない状態でクリーニングを行うと、装置の破損や変形を招く恐れがあるからです。 装置に問題が生じると、治療計画に遅れが出てしまう可能性もあります。

矯正歯科と一般歯科の連携体制によって、対応は異なります。以下の表を参考に、ご自身の状況に合わせて担当医に相談しましょう。

ケース 対応方法 メリット・注意点
矯正治療を受けている歯科医院でクリーニングも行う 矯正装置の調整日に合わせて、担当の歯科医師や歯科衛生士がクリーニングを行います。 装置に関する知識が豊富なため、破損のリスクが低く安心です。治療の進捗状況を把握した上で、最適なタイミングでクリーニングを受けられます。
矯正歯科から提携の一般歯科を紹介される 矯正担当医から、連携している一般歯科医院を紹介してもらい、そちらでクリーニングを受けます。 医院間で治療情報が共有されているため、スムーズに専門的なクリーニングが受けられます。
自分でかかりつけの一般歯科を探して受診する 矯正担当医に許可を得た上で、自分で探した、あるいは元々通っていた一般歯科でクリーニングを受けます。 必ず矯正治療中であることを伝え、対応可能か事前に確認が必要です。 矯正担当医と一般歯科医との間で情報共有がされない場合があるため、注意が求められます。

いずれの場合も、まずは矯正担当医に相談し、指示を仰ぐことが、安全かつ効果的に歯石を除去するための鍵となります。

7.3 歯並びが気になる方は医療法人 札幌矯正歯科 宮の沢エミル矯正歯科で矯正相談をお待ちしております

これまでご説明したように、矯正治療中の歯石管理は、治療を成功させるために非常に重要です。矯正装置の特性を熟知した専門家による、きめ細やかな口腔ケアが不可欠となります。

医療法人 札幌矯正歯科 宮の沢エミル矯正歯科では、矯正治療を専門とする歯科医師と経験豊富な歯科衛生士が連携し、患者様一人ひとりのお口の状態に合わせた最適な治療計画と口腔衛生指導をご提供しています。治療中の歯石クリーニングはもちろん、虫歯や歯周病を予防するための専門的なケアにも力を入れており、皆様が安心して治療に専念できる環境を整えております。

美しい歯並びと健康な口内環境の両方を手に入れたいとお考えでしたら、ぜひ一度、当院の矯正相談をご利用ください。専門家の視点から、皆様のお悩みやご希望に寄り添い、最適な解決策をご提案いたします。

8. まとめ

この記事では、歯石を自分で取ることの危険性と正しい対処法について解説しました。結論として、歯石を自分で取ることは絶対にやめるべきです。市販のスケーラーや爪、楊枝などを使って無理に除去しようとすると、歯の表面(エナメル質)や歯茎を傷つけ、そこから細菌が入り込んで感染症を引き起こす可能性があります。さらに、歯の表面がザラザラになることで、かえって歯垢や歯石が付きやすい状態を作ってしまうという逆効果にもなりかねません。

固くこびりついた歯石を安全かつ確実に取り除く唯一の方法は、歯科医院で歯科医師や歯科衛生士による専門的なクリーニング(スケーリング)を受けることです。歯石は一度付着すると歯磨きでは取れないため、定期的にプロのケアを受けることが重要です。

そして、これ以上歯石を増やさないためには、日々のセルフケアが最も効果的です。歯ブラシだけでなくデンタルフロスや歯間ブラシも活用し、歯石の原因となる歯垢を毎日の歯磨きで徹底的に除去することを心がけましょう。鏡を見て歯石が気になる方は、自己判断で対処せず、まずはかかりつけの歯科医院に相談してください。

札幌で矯正歯科を検討中の方は、ぜひ医療法人 札幌矯正歯科 宮の沢エミル矯正歯科でご相談ください。矯正治療のご相談をご希望の方は、下記のボタンよりお気軽にご予約ください。

この記事の監修者

尾立 卓弥(おだち たくや)

医療法人札幌矯正歯科 理事長
宮の沢エミル矯正歯科 院長

北海道札幌市の矯正専門クリニック「宮の沢エミル矯正歯科」院長。
日本矯正歯科学会 認定医。

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