しゃべると唾が飛ぶのは歯並びが原因?矯正歯科医が教える関係と今すぐできる対策

こんにちは。医療法人 札幌矯正歯科 宮の沢エミル矯正歯科の理事長の尾立卓弥です。札幌で矯正歯科を検討中の方は、ぜひ医療法人 札幌矯正歯科 宮の沢エミル矯正歯科でご相談ください。「会話中に唾が飛んでしまい、相手に不快な思いをさせていないか気になる…」「マスクを外すのが怖い…」そんな悩みを抱えていませんか?実は、しゃべるときに唾が飛んでしまう原因は、出っ歯(上顎前突)やすきっ歯(空隙歯列)といった歯並びの乱れが大きく関係している可能性があります。この記事では、矯正歯科の専門家の視点から、唾が飛ぶ原因として考えられる歯並びの問題や口呼吸、舌の位置などを詳しく解説します。さらに、ご自身で原因をチェックする方法から、今すぐ実践できる4つの応急対策、そして根本的な解決策となる歯列矯正まで、あなたの長年の悩みを解消するための具体的な方法を網羅的にご紹介します。もう口元を気にして会話をためらう必要はありません。まずはご自身の原因を正しく理解し、自信を持って話せる毎日を取り戻しましょう。
1. 会話中に唾が飛ぶのはあなただけじゃない その悩みと原因
マスクを外して会話する機会が増え、「もしかして、しゃべるときに唾が飛んでいるかも…」と不安に感じていませんか?大切な商談や友人との楽しいおしゃべり、デートの最中など、ふとした瞬間に口元が気になってしまい、会話に集中できないという方は少なくありません。相手に不快な思いをさせていないか、清潔感がないと思われていないかと、一人で悩みを抱え込んでしまうこともあります。
しかし、会話中に唾が飛んでしまうという悩みは、決してあなただけの特別なものではありません。話し方や口の状態によって、誰にでも起こりうることなのです。この記事では、まずその悩みと基本的な原因について解説し、不安を解消する第一歩を踏み出します。
1.1 多くの人が抱える「唾が飛ぶ」悩み
会話中に唾が飛ぶことは、多くの人が経験したり、相手に対して気になったりする問題です。くしゃみや咳をすれば飛沫が飛ぶことは広く知られていますが、実は通常の会話でも唾液は飛散しています。 この問題が引き起こす具体的な悩みは、単に物理的な現象に留まらず、心理的な負担やコミュニケーションへの影響にまで及びます。
具体的にどのような場面で悩みが深くなるのか、以下の表にまとめました。
| シーン | 具体的な悩み・状況 |
|---|---|
| ビジネスシーン | 顧客との商談やプレゼンテーションで、相手の顔に飛んでしまわないか常に不安になる。 |
| 上司や同僚と近い距離で話す際に、口元を不自然に隠してしまう。 | |
| プライベート | 友人や恋人との食事中、会話が弾むほど唾が飛びやすくなり、楽しめない。 |
| 美容院やエステなど、対面でサービスを受ける際に気まずい思いをする。 | |
| 共通の悩み | 「サ行」や「タ行」など、特定の音を発音するときに特に唾が飛びやすい。 |
| 自信を持ってハキハキと話すことができず、消極的な印象を与えてしまう。 |
1.2 唾が飛んでしまう主なメカニズムとは?
そもそも、なぜ会話をするときに唾が飛んでしまうのでしょうか。そのメカニズムを理解するために、まずは唾液の役割について知っておくことが大切です。
唾液は、単なる水分ではありません。厚生労働省のe-ヘルスネットによると、唾液には口の中の食べカスを洗い流す自浄作用、細菌の活動を抑える抗菌作用、消化を助ける作用など、私たちの健康を守るための多くの重要な働きがあります。 つまり、唾液が出ること自体は、お口の健康にとって非常に良いことなのです。
問題となるのは、この唾液が会話の際に意図せず口の外へ飛び出してしまうことです。言葉を発するとき、私たちは肺から送られた空気を声帯で振動させ、舌や唇、歯を使って様々な音を作り出します。このとき、舌や唇の動き、そして息の流れによって、口の中にある唾液が細かい飛沫となって一緒に放出されてしまうのです。 通常であれば、唇が唾液をせき止める壁の役割を果たしますが、何らかの原因で唇がしっかり閉じられていなかったり、息が歯の隙間から漏れたりすると、唾液が飛びやすくなります。 この記事の次の章では、その「何らかの原因」について、歯並びとの関係を中心に詳しく掘り下げていきます。
2. しゃべると唾が飛ぶのは歯並びが原因?考えられる5つの理由
会話中に思わず唾が飛んでしまい、気まずい思いをした経験はありませんか。実はその原因、単なる話し方の癖だけではないかもしれません。口元の構造、特に歯並びが大きく影響している可能性があります。しかし、原因は一つとは限らず、複数の要因が絡み合っていることも少なくありません。ここでは、しゃべると唾が飛ぶ原因として考えられる5つの理由を、矯正歯科医の視点から詳しく解説します。
2.1 原因1 歯並びの乱れによる唇の閉じにくさ
しゃべるときに唾が飛んでしまう最も直接的な原因の一つが、歯並びの乱れによって唇が自然に閉じにくくなっている状態です。 歯並びが整っていれば、前歯が壁の役割を果たし、唾液が外に飛び出すのを防いでくれます。 しかし、歯並びに乱れがあると、発音の際にできた隙間から息と一緒に唾液が漏れ出てしまうのです。特に、唇を閉じて発音する「パ行」「バ行」「マ行」などで唾が飛びやすくなります。
2.1.1 出っ歯(上顎前突)で隙間ができる
出っ歯(上顎前突)は、上の前歯が前方に大きく突き出ている、または上顎全体が前に出ている歯並びのことです。 この状態だと、意識的に力を入れないと唇を完全に閉じることが難しく、常に少し口が開いた状態になりがちです。 そのため、会話中に唇を閉じようとしても隙間が生まれやすく、発音時の息の勢いで唾液が前方に飛散しやすくなります。
2.1.2 すきっ歯(空隙歯列)から息が漏れる
すきっ歯(空隙歯列)は、歯と歯の間に隙間がある状態を指します。 特に前歯に隙間があると、その隙間が空気や唾液の通り道になってしまいます。 「サ行」や「タ行」など、歯の隙間から息を出すように発音する音では、息と一緒に唾液が勢いよく飛び散ってしまう傾向があります。 歯が壁となって唾液をせき止める機能が弱まるため、唾が飛びやすくなるのです。
2.2 原因2 口呼吸の習慣化
出っ歯や開咬(奥歯を噛んでも前歯が閉じない歯並び)など、歯並びの問題で唇が閉じにくい状態が続くと、無意識のうちに口で呼吸する「口呼吸」が習慣化しやすくなります。 口呼吸をしていると、口の中が常に空気にさらされるため乾燥しやすくなります。 口内が乾燥すると、唾液の自浄作用や抗菌作用が低下するだけでなく、唾液の質も変化します。 乾燥した口内を潤そうとして分泌される唾液は粘度が高くなることがあり、これが泡状になったり糸を引いたりして、かえって飛び散りやすくなるのです。
2.3 原因3 舌の正しい位置と筋力低下
舌には正しい位置(スポット)があり、通常は舌先が上の前歯の少し後ろの歯茎に軽く触れている状態が理想です。 しかし、歯並びが乱れていると、舌をこの正しい位置に保つのが難しくなることがあります。舌の位置が下がっていたり(低位舌)、話すときに舌を前に突き出す癖(舌突出癖)があったりすると、発音が不明瞭になるだけでなく、唾液のコントロールがうまくいかずに唾が飛びやすくなります。 また、舌や口周りの筋肉(口輪筋)が衰えていると、唾液を適切に飲み込むことができず、口の中に溜まった唾液が会話の際に飛び出しやすくなります。
2.4 原因4 唾液の量や質の問題
唾液の分泌量には個人差があり、量が多い方は口の中に唾液が溜まりやすいため、物理的に唾が飛びやすくなる傾向があります。 また、唾液にはサラサラした「漿液性唾液」と、ネバネバした「粘液性唾液」の2種類があります。 ストレスや緊張、体調の変化などによって自律神経のバランスが乱れ、交感神経が優位になると、ネバネバした唾液が多く分泌されることがあります。 このネバネバした唾液は口の中に留まりやすく、会話の際に糸を引くように飛んでしまう原因となります。
2.5 原因5 ストレスや緊張
大勢の前でスピーチをする時など、強いストレスや緊張を感じる場面で特に唾が飛びやすいと感じる方も多いでしょう。これは精神的な要因が身体に影響を与えている例です。緊張状態では交感神経が活発になり、唾液の分泌が抑制されて口が乾きます。 それと同時に、分泌される唾液は粘度の高いネバネバしたものになりがちです。 口の渇きと唾液の質の変化という二つの要因が重なることで、唇の動きがスムーズでなくなり、結果として唾液が飛びやすくなってしまうのです。
3. 歯並びが原因か簡単セルフチェック
「しゃべるときに唾が飛ぶのは、もしかして歯並びのせい?」と感じているなら、まずはご自身の口の状態を客観的にチェックしてみましょう。もちろん、ここでのチェックはあくまで簡易的なものであり、正確な診断は歯科医師に相談することが不可欠です。しかし、ご自身の傾向を知ることで、専門家へ相談するきっかけになるかもしれません。ここでは、鏡を使って確認できる項目と、普段の生活での癖に関する項目に分けてご紹介します。
3.1 鏡でチェック!お口の状態を確認しよう
洗面台の鏡などを使って、お口周りの状態をじっくり観察してみましょう。リラックスした状態で確認するのがポイントです。
3.1.1 1. 唇が自然に閉じられるか
力を入れず、自然な表情で唇が閉じているかを確認します。出っ歯(上顎前突)などの場合、唇が閉じにくく、無意識のうちに口が開いてしまうことがあります。 唇を閉じようとしたときに、下顎の先に梅干しのようなシワ(オトガイ筋の緊張)ができる場合は、歯並びが原因で唇が閉じにくいサインかもしれません。 口が自然に閉じられないと口内が乾燥し、唾液が粘ついて飛びやすくなる原因にもなります。
3.1.2 2. 前歯の間に隙間がないか
上の前歯と下の前歯、あるいは歯と歯の間に隙間がないかチェックします。「すきっ歯(空隙歯列)」や、奥歯で噛んでも前歯が閉じない「開咬(オープンバイト)」の場合、その隙間から息が漏れやすく、話すときに唾液が一緒に飛び出しやすくなります。 特にサ行やタ行など、歯の隙間から息を出す発音の際に唾が飛びやすい傾向があります。
3.1.3 3. 上下の前歯の重なり具合はどうか
軽く噛み合わせたときに、上の前歯が下の前歯にどのくらい覆いかぶさっているか見てみましょう。理想的なのは、上の前歯が下の前歯の2〜3mm程度覆っている状態です。逆に、下の前歯が上の前歯より前に出ている「受け口(下顎前突)」の場合も、発音に影響し、唾液が飛びやすくなることがあります。
3.2 普段の癖をチェック!無意識の習慣を見直そう
次に、日常生活の中での無意識の癖について振り返ってみましょう。これらの癖は、歯並びに影響を与え、唾が飛ぶ原因とも深く関わっています。
3.2.1 1. 気づくと口がポカンと開いていないか(口呼吸)
テレビを見ているときや何かに集中しているとき、無意識に口が開いて口で呼吸していませんか?鼻炎などの問題がないにも関わらず口呼吸が習慣化している場合、口周りの筋肉(口輪筋)が衰えている可能性があります。 口輪筋の衰えは唇を閉じる力を弱め、唾液が外に飛び出す一因となります。 また、口呼吸は口内を乾燥させ、唾液の質を変化させることも指摘されています。
3.2.2 2. 舌の先端はどこにあるか
何もしていないリラックスした状態で、舌の先がどこに触れているか意識してみてください。正しい舌の位置は、舌先が上の前歯の少し後ろの歯茎(スポットポジションと呼ばれる場所)に軽く触れており、舌全体が上顎に吸い付いている状態です。 もし舌が下の前歯を押していたり、歯と歯の間にはみ出していたりする場合(低位舌)、発音時に舌が正しく使えず、唾が飛びやすくなることがあります。
3.2.3 3. 食事のときによく噛んでいるか
食事の際にあまり噛まずに飲み込む癖はありませんか?よく噛むことは、顎の正常な発達を促し、口周りの筋肉を鍛える上で非常に重要です。柔らかいものばかりを食べる食生活などで噛む回数が少ないと、口元の筋肉が十分に発達せず、唇をしっかり閉じる力が弱まる可能性があります。
3.3 セルフチェックの結果を判定しよう
上記のチェック項目に、あなたはいくつ当てはまりましたか?当てはまる項目が多いほど、歯並びやそれに伴う口周りの機能が、しゃべるときに唾が飛ぶ原因になっている可能性が考えられます。結果を以下の表で確認してみましょう。
| 当てはまった数 | 歯並びが原因である可能性 |
|---|---|
| 0〜1個 | 可能性は低いですが、他の原因(唾液の量や緊張など)が考えられます。 |
| 2〜3個 | 歯並びや口の癖が影響している可能性があります。一度、専門家への相談を検討してみましょう。 |
| 4個以上 | 歯並びが原因である可能性が高いと考えられます。根本的な改善のために、矯正歯科でのカウンセリングをおすすめします。 |
このセルフチェックは、あくまでご自身の状態を知るための一つの目安です。気になる点が一つでもあれば、自己判断で放置せず、お近くの歯科医院や矯正歯科で専門的な診断を受けることが、悩み解決への第一歩となります。
4. 今すぐできる しゃべるときの唾を抑える4つの対策
歯並びが原因の場合、根本的な解決には歯科矯正が必要になることがあります。しかし、矯正治療には時間も費用もかかります。そこで、ここでは会話中に唾が飛ぶのを今すぐ抑えたい方のために、今日から実践できる4つの対策をご紹介します。これらの対策は、歯並びの問題を直接治すものではありませんが、唾が飛ぶのを軽減し、より自信を持って会話できるようになるための有効な手段です。
4.1 意識的に鼻で呼吸する
普段、無意識に口で呼吸していませんか?口呼吸は口内を乾燥させ、唾液を粘つかせる大きな原因となります。粘り気の強い唾液は、発音の際に飛沫として飛び散りやすくなります。一方、鼻呼吸は天然の加湿器・空気清浄機のような役割を果たし、口内の湿度を適切に保つ助けとなります。まずは日中の会話をしていない時から、意識的に口を閉じ、鼻で息をする習慣をつけましょう。特にマスクをしていると口呼吸になりがちなので注意が必要です。睡眠中の口呼吸が気になる場合は、医療用の口閉じテープなども市販されていますが、使用する際は医師に相談することをおすすめします。
4.2 舌のトレーニングで正しい位置を覚える
舌の筋力が低下していたり、舌の位置が正しくないと、発音が不明瞭になり、不要な息が漏れて唾液が飛びやすくなります。舌の正しい位置は「スポットポジション」と呼ばれ、舌先が上の前歯の少し後ろにある膨らみに軽く触れている状態です。 この位置に舌を置くことで、口の中の空間が適切に保たれ、唾液が前方に飛び出すのを防ぎます。
舌を正しい位置に保つための簡単なトレーニングをご紹介します。
- 舌の先を「スポットポジション」につけます。
- 舌全体を上顎に吸い上げるようにピッタリとくっつけます。
- その状態を5秒〜10秒キープします。
- ゆっくりと元の位置に戻します。
このトレーニングを1日に数回繰り返すことで、舌の筋力が鍛えられ、無意識のうちに舌を正しい位置に保てるようになります。
4.3 口周りの筋肉を鍛える「あいうべ体操」
唇をしっかり閉じる力が弱いと、わずかな隙間から唾液が漏れ出てしまうことがあります。口の周りを囲む「口輪筋」をはじめとする表情筋を鍛えることで、唇の閉鎖力が向上し、唾が飛ぶのを防ぐ効果が期待できます。 口周りの筋肉を鍛えるのに効果的なのが、福岡市の「みらいクリニック」の今井一彰院長が考案した「あいうべ体操」です。
「あいうべ体操」は、口呼吸を鼻呼吸に改善する効果も期待できるため、唾が飛ぶ悩みを持つ方には特におすすめのトレーニングです。 やり方はとても簡単で、道具も必要ありません。
| 動作 | ポイント |
|---|---|
| 1. 「あー」と口を大きく開く | 喉の奥が見えるくらい、縦に大きく開きます。 |
| 2. 「いー」と口を横に広げる | 首に筋が浮き出るくらい、真横にしっかりと引きます。 |
| 3. 「うー」と唇を強く前に突き出す | タコの口のように、唇を思い切り前に突き出します。 |
| 4. 「べー」と舌を下に伸ばす | 舌先を顎の先に付けるようなイメージで、思い切り下に伸ばします。 |
上記の1〜4を1セットとして、1日30セットを目安に毎日続けてみましょう。 声は出さなくても問題ありません。 それぞれの動きを大げさに、そしてゆっくりと行うのが効果を高めるコツです。
4.4 こまめな水分補給で口内を潤す
緊張やストレスを感じると口が渇き、唾液が粘つくことがあります。 また、体内の水分が不足している場合も同様です。 粘り気のある唾液は飛びやすいため、こまめな水分補給で口内を潤し、唾液をサラサラに保つことが大切です。 一度に大量に飲むのではなく、一口ずつ頻繁に飲むのが効果的です。飲み物は、糖分の多いジュースや利尿作用のあるカフェイン飲料(コーヒー、緑茶など)は避け、水や麦茶などを選ぶようにしましょう。 大事な会話の前やプレゼンテーションの前に一口水を含むだけでも、口の渇きを和らげ、唾が飛ぶのを抑えるのに役立ちます。
5. 歯並びが原因で唾が飛ぶ悩みは歯科矯正で根本改善へ
セルフケアやトレーニングは、唾が飛ぶ症状をある程度緩和するのに役立ちます。しかし、その原因が出っ歯やすきっ歯といった歯並びの乱れそのものにある場合、根本的な解決は難しいのが現実です。歯科矯正は、見た目を美しくするだけでなく、口が閉じやすくなる、舌が正しい位置に収まるなど、口周りの機能性を回復させる治療です。これにより、長年抱えていた会話中に唾が飛ぶという悩みを、原因から解消することが期待できます。
5.1 歯列矯正で唾が飛ぶ問題が解決する仕組み
歯列矯正によって歯並びや噛み合わせが整うと、なぜ唾が飛ぶ問題が改善されるのでしょうか。その仕組みは主に3つの側面にあります。
- 口元の密閉性が高まる
出っ歯(上顎前突)や受け口(下顎前突)が改善されると、口元の突出感がなくなり、意識しなくても自然に唇を閉じられるようになります。これにより、会話の際にできる唇の隙間がなくなり、息が漏れるとともに唾液が飛散するのを物理的に防ぎます。 - 舌の位置が安定し、機能が向上する
歯並びが整うと、舌が本来あるべき正しいポジション(スポットポジション)に自然と収まりやすくなります。舌が正しい位置にあると、発音が明瞭になるだけでなく、舌の筋肉が効率的に使われ、唾液をコントロールする能力も向上します。これにより、意図せず唾液が前に飛び出してしまうのを防ぐことができます。 - 口呼吸から鼻呼吸へ促される
歯並びが原因で口が閉じにくい状態では、無意識に口呼吸になりがちです。矯正治療で歯並びが整い、自然に口を閉じられるようになると、鼻呼吸がしやすくなります。鼻呼吸は口内の乾燥を防ぎ、唾液の粘度を適切に保つ効果があります。唾液が過度にネバネバしたり、逆にサラサラになりすぎたりするのを防ぎ、飛散しにくい質の良い唾液を維持することにつながります。
5.2 主な歯列矯正の種類と特徴
歯科矯正にはいくつかの方法があり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。ご自身のライフスタイルや歯並びの状態、予算に合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。ここでは代表的な矯正方法をご紹介します。
5.2.1 ワイヤー矯正
歯の表面または裏面に「ブラケット」という装置を取り付け、そこにワイヤーを通して少しずつ歯を動かしていく、最も歴史と実績のある矯正方法です。幅広い症例に対応できるのが大きな特徴です。
- 表側矯正:歯の表側(唇側)に装置を装着する方法です。比較的費用を抑えられ、多くの症例に対応可能です。ただし、装置が外から見えやすいというデメリットがあります。
- 裏側矯正(舌側矯正):歯の裏側(舌側)に装置を装着する方法です。外からは全く見えないため、見た目を気にされる方に人気です。一方で、費用が高額になる傾向があり、慣れるまで舌に違和感や発音のしにくさを感じることがあります。
5.2.2 マウスピース矯正(インビザラインなど)
透明なマウスピース型の装置を、治療計画に沿って定期的に新しいものに交換していくことで歯を動かす比較的新しい矯正方法です。代表的なものに「インビザライン」があります。
最大のメリットは、装置が透明で目立たないことと、食事や歯磨きの際に自分で取り外せる点です。これにより、衛生的で快適に治療を進められます。ただし、装着時間を守るなどの自己管理が不可欠であり、歯並びの状態によっては適用できないケースもあります。
| 種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| ワイヤー矯正(表側) | 歯の表側に装置を装着 | ・幅広い症例に対応可能 ・比較的費用が安い ・実績が豊富 |
・装置が目立つ ・清掃がしにくい ・口内炎ができやすい |
| ワイヤー矯正(裏側) | 歯の裏側に装置を装着 | ・外から装置が見えない ・虫歯になりにくい(唾液の自浄作用) |
・費用が高額 ・発音しにくいことがある ・対応できる歯科医師が限られる |
| マウスピース矯正 | 透明なマウスピースを交換 | ・装置が目立たない ・取り外して食事や歯磨きができる ・痛みが少ない傾向 |
・自己管理が必須(装着時間など) ・適応できない症例がある ・紛失・破損のリスク |
5.2.3 医療法人 札幌矯正歯科 宮の沢エミル矯正歯科では矯正相談を行っています
「自分の歯並びが唾の飛散に関係しているのか知りたい」「どの矯正方法が自分に合っているのか分からない」といった疑問や不安をお持ちの方は、まずは専門家である矯正歯科医に相談することが第一歩です。多くの矯正歯科では、治療を始める前にカウンセリングの機会を設けています。
カウンセリングでは、視診や簡単な検査を通じて、現在の歯並びの問題点や、それが会話時の唾の飛散にどう影響している可能性があるのかを専門的な視点から説明してもらえます。また、具体的な治療方法の選択肢、それぞれのメリット・デメリット、おおよその費用や治療期間についても詳しい情報を得ることができます。一人で悩まず、ぜひ一度、お近くの矯正歯科で相談してみてはいかがでしょうか。
6. まとめ
この記事では、しゃべるときに唾が飛んでしまう原因と、ご自身でできる対策について解説しました。会話中に唾が飛ぶ悩みは、決して珍しいものではありません。
その原因は一つではなく、主に以下の5つが考えられます。
- 出っ歯やすきっ歯といった歯並びの乱れによる、唇の閉じにくさ
- 無意識に行っている口呼吸の習慣
- 舌の筋力低下や、舌が正しい位置にないこと
- 唾液の分泌量が多すぎたり、粘り気が強かったりする唾液の質の問題
- 人前で話すことへのストレスや緊張
まずは、意識的な鼻呼吸や「あいうべ体操」などの舌・口周りのトレーニング、こまめな水分補給といった対策を試してみることをお勧めします。これらによって、症状が緩和される場合があります。
しかし、セルフチェックで歯並びに原因があると感じた場合、これらの対策だけでは根本的な解決が難しいかもしれません。歯並びの乱れが原因で物理的に唇が閉じにくい状態では、歯科矯正によって歯並びそのものを整えることが最も効果的な解決策となります。歯列矯正を行うことで、自然と口が閉じやすくなり、唾が飛ぶ問題だけでなく、口呼吸の改善や見た目のコンプレックス解消にも繋がります。
もし、長年この悩みで困っているなら、一度矯正歯科の専門医に相談し、ご自身の口内の状態を正確に把握することから始めてみてはいかがでしょうか。
札幌で矯正歯科を検討中の方は、ぜひ医療法人 札幌矯正歯科 宮の沢エミル矯正歯科でご相談ください。矯正治療のご相談をご希望の方は、下記のボタンよりお気軽にご予約ください。
この記事の監修者

尾立 卓弥(おだち たくや)
医療法人札幌矯正歯科 理事長
宮の沢エミル矯正歯科 院長
北海道札幌市の矯正専門クリニック「宮の沢エミル矯正歯科」院長。
日本矯正歯科学会 認定医。

