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2026.02.13

前歯の正中ずれは部分矯正でOK?安く済む直し方と適応範囲とは

前歯の正中ずれは部分矯正でOK?安く済む直し方と適応範囲とは

正中ずれ

こんにちは。医療法人 札幌矯正歯科 宮の沢エミル矯正歯科の理事長の尾立卓弥です。札幌で矯正歯科を検討中の方は、ぜひ医療法人 札幌矯正歯科 宮の沢エミル矯正歯科でご相談ください。鏡を見たとき、上の前歯の真ん中が顔の中心と合わない「正中ずれ」が気になっていませんか?歯並びの見た目だけでなく、噛み合わせや顔の歪みにも影響するため、適切な治療が重要です。この記事では、正中ずれの原因をはじめ、部分矯正で安く直せるケースと全体矯正が必要なケースの違い、それぞれの費用相場について解説します。結論として、歯の位置異常のみであれば部分矯正やマウスピース矯正で改善可能ですが、顎の骨格に原因がある場合は全体矯正が必要です。自力では治せないため、ご自身の症状に合った正しい直し方を確認しましょう。

1. 正中ずれとはどのような状態を指すのか

鏡で自分の口元を見たときや写真に写った自分の笑顔を見たときに、前歯の真ん中がなんとなくずれているように感じることがあります。歯科矯正の分野において「正中(せいちゅう)ずれ」とは、一般的に上下の歯の真ん中の線が揃っていない状態、もしくは顔の中心線に対して前歯の中心がずれている状態を指します。

専門的には「正中不一致」や「正中線偏位」と呼ばれることもあり、見た目の審美的な問題だけでなく、噛み合わせの機能的な問題を含んでいる場合も少なくありません。正中ずれには大きく分けて2つの視点があり、それぞれ確認すべきポイントが異なります。

1.1 顔の中心と上の歯の中心がずれている状態

一つ目は、顔全体のバランスに対する歯の位置のずれです。人間の顔には、額の真ん中から鼻筋、上唇のくぼみ(人中)、顎の先端を結ぶ「正中線(フェイシャル・ミッドライン)」という仮想の線があります。理想的な歯並びでは、この顔の正中線と上の前歯2本(中切歯)の間のラインが一致していることが美しいとされています。

このラインが左右どちらかにずれていると、笑ったときに口元が歪んで見えたり、顔全体のバランスが崩れて見えたりする原因となります。特に上の前歯は会話や笑顔の際に最も目立つ部分であるため、ここが顔の中心と合っているかどうかは審美的に非常に重要です。

1.2 上下の歯の真ん中同士がずれている状態

二つ目は、上下の噛み合わせにおける中心のずれです。口を「イー」と閉じた状態で、上の前歯の真ん中の線と、下の前歯の真ん中の線が一直線に繋がらず、左右に食い違っている状態を指します。

上下の正中が一致していることは、正しい噛み合わせの指標の一つです。しかし、顔の正中とは合っていても上下の歯同士がずれている場合や、逆に上下の歯は揃っているものの顔全体から見るとずれている場合など、そのパターンは様々です。

1.3 正中ずれの許容範囲とセルフチェック

実は、正中線がミリ単位の狂いもなく完全に一致している人は非常に稀です。骨格や歯の大きさには個人差があるため、機能的に問題がない範囲であれば、多少のずれは個性の範囲内とされることもあります。一般的に、どの程度のずれが治療対象となるのか、その目安を以下の表に整理しました。

ズレの程度 状態の特徴 一般的な判断基準
軽度(0mm ~ 2mm程度) パッと見ただけでは気づかれにくいレベルのずれ。 噛み合わせに問題がなければ、必ずしも矯正治療が必要とは限らない許容範囲とされることが多いです。
中等度(2mm ~ 4mm程度) 会話や笑顔の際に、相手に違和感を与える可能性があるレベル。 審美的な改善を希望する場合や、噛み合わせに悪影響が出ている場合は治療が推奨されます。
重度(4mm以上) 明らかに顎や歯が左右にずれており、顔の歪みとして認識されるレベル。 顎関節への負担や咀嚼機能への影響が懸念されるため、精密検査と矯正治療が必要となる可能性が高い状態です。

ご自身で鏡を見てチェックする際は、まず顔の正中(鼻筋など)と上の歯の真ん中が合っているかを確認し、次に上下の歯を噛み合わせた状態でそれぞれの中心線が揃っているかを確認してみてください。もし、見た目のコンプレックスを感じていたり、物が噛みにくいといった機能的な不便さを感じたりする場合は、専門的な診断を受けることが望ましいでしょう。

2. 前歯の正中ずれが起こる主な原因

鏡を見たときに「前歯の真ん中が合っていない」と気づく正中ずれ(正中不一致)は、見た目のコンプレックスにつながりやすい症状です。この正中線のズレは、単に歯並びが悪いだけでなく、骨格や日々の習慣など複合的な要因によって引き起こされます。

正中ずれの原因を正しく理解することは、ご自身の症状が部分矯正で手軽に治せるものなのか、あるいは本格的な全体矯正が必要なのかを判断する第一歩となります。主な原因は大きく分けて「歯の問題」「骨格の問題」「悪習癖」の3つに分類されます。

原因の分類 主な特徴 ズレの状態
歯性の原因 歯の大きさや生え方に問題がある 顎の位置は正常だが、歯だけが左右に寄っている
骨格性の原因 顎の骨の大きさや位置にズレがある 顔全体が歪んで見えたり、噛み合わせ自体がズレている
機能的・習癖的な原因 頬杖や片噛みなどの癖による影響 後天的な力によって顎や歯が徐々にズレてしまった状態

2.1 歯の大きさや生え方に問題がある場合

まず挙げられるのが、顎の骨格には大きな問題がなく、歯そのものの生え方や大きさに起因するケースです。これを専門的には「歯性(しせい)の正中偏位」と呼びます。

具体的には、左右で歯の大きさが生まれつき異なっていたり、一部の歯が先天的に欠損していたりする場合に起こります。例えば、右側の歯が1本足りない場合、歯列全体が隙間を埋めようとして右側に寄っていくため、結果として前歯の中心(正中線)が右にズレてしまうのです。

また、乳歯から永久歯へ生え変わるタイミングで、片側の乳歯が早く抜けすぎてしまった場合なども、奥歯が前方に倒れ込んできてスペースを奪い、前歯の並びが左右非対称になることがあります。このタイプは、歯の位置をコントロールすることで改善が見込めるため、矯正治療単独での対応が比較的しやすい傾向にあります。

2.2 顎の骨格や位置にずれがある場合

次に、上顎や下顎の骨そのものの大きさや位置関係にズレがあるケースです。これは「骨格性(こっかくせい)の正中偏位」と呼ばれ、治療の難易度が上がる傾向にあります。

生まれつき下顎の骨が左右どちらかに過成長していたり、上顎に対して下顎が横にズレて位置していたりすることが原因です。この場合、単に前歯の真ん中が合っていないだけでなく、顔の中心線に対して顎先が左右に曲がっているなど、顔貌の非対称性を伴うことが多いのが特徴です。

骨格的なズレが大きい場合、一般的な歯科矯正(ワイヤーやマウスピース)で歯を動かすだけでは根本的な解決が難しく、場合によっては「顎変形症」として外科手術を併用した外科的矯正治療が必要になることもあります。

2.3 頬杖などの悪習癖が影響している場合

最後に、日々の生活習慣や癖が原因となって、後天的に正中線がズレてしまうケースです。これを「機能的(きのうてき)な偏位」と呼ぶこともあります。

特に影響が大きいのが「頬杖(ほおづえ)」です。毎日同じ側の頬に手をついて頭の重さを支えていると、その持続的な力によって顎の骨や歯列が徐々に歪んでいきます。また、食事の際に左右どちらか片方ばかりで噛む「片側咀嚼(へんそくそしゃく)」や、うつ伏せ寝・横向き寝の習慣も、顎の位置をズレさせる要因となります。

これらの悪習癖が原因の場合、矯正治療で歯並びを整えたとしても、原因となっている癖を直さなければ再び後戻りしてしまうリスクが高いため注意が必要です。治療と並行して、生活習慣の改善指導(MFT:口腔筋機能療法など)を行うことが重要になります。

3. 正中ずれの直し方として部分矯正は有効か

前歯の正中(真ん中)がずれていることを気にして矯正治療を検討する場合、「できれば費用を抑えて短期間で終わる部分矯正で治したい」と考える方は非常に多くいらっしゃいます。結論から申し上げますと、正中ずれを部分矯正で治せるかどうかは、ズレの原因と程度によって決まります。

部分矯正は基本的に「前歯のみ」を動かす治療法です。そのため、正中のズレが前歯の傾きやわずかな位置異常によるものであれば有効ですが、奥歯の位置関係や顎の骨格に原因がある場合は、部分矯正だけで完璧に治すことは困難です。まずは、ご自身の状態がどちらの適応に近いかを確認してみましょう。

3.1 部分矯正で正中ずれが直る人の特徴

部分矯正で正中のズレを解消できるケースは、基本的に「奥歯の噛み合わせには問題がなく、前歯の微調整だけで解決できる場合」に限られます。具体的には以下のような特徴を持つ方が対象となります。

  • 奥歯の噛み合わせが正常である
    左右の奥歯がしっかりと正しい位置で噛み合っており、動かす必要がないことが大前提です。
  • 正中のズレが軽度である(約2〜3mm以内)
    ズレの幅が大きい場合、前歯だけの移動では距離が足りず、物理的に真ん中を合わせることができません。
  • 歯を並べるスペースの不足が少ない
    歯を少し削って隙間を作る処置(IPR/ディスキング)を行うことで、前歯を左右にスライドさせて正中を合わせるスペースを確保できる場合に有効です。

このように、骨格や奥歯に問題がなく、前歯の傾きや配置を整えるだけで正中が揃う軽度の症例であれば、部分矯正での治療が可能であり、費用や期間を大幅に抑えることができます。

3.2 全体矯正が必要となる人の特徴

一方で、多くの正中ずれのケースでは、全体矯正(全顎矯正)が必要となることが一般的です。なぜなら、正中がずれている原因の多くは、単に前歯が歪んでいるだけでなく、顎全体や奥歯の噛み合わせのズレに起因しているからです。

以下のような特徴がある場合は、部分矯正ではなく全体矯正を選択する必要があります。

全体矯正が必要なケース 理由と治療のポイント
骨格的なズレがある場合 顎の骨自体が左右非対称であったり、位置がずれている場合は、歯だけを動かしても正中は合いません。全体矯正に加え、場合によっては外科手術が必要になることもあります。
奥歯の噛み合わせがずれている場合 前歯の真ん中を合わせるためには、土台となる奥歯の位置を後ろへ移動させたり、正しい位置に修正したりする必要があります。これは奥歯を動かせない部分矯正では不可能です。
抜歯が必要なほどガタつきが強い場合 重度の叢生(乱ぐい歯)などで抜歯が必要な場合、その大きな隙間を埋めるために歯を大きく移動させる必要があります。抜歯を伴うような大きな歯の移動は、全体矯正でなければコントロールできません。
正中のズレ幅が大きい場合 3mm以上の大きなズレがある場合、片側の歯全体を奥へ送るなどのダイナミックな移動が必要となり、全体的なバランス調整が必須となります。

無理に部分矯正で見た目の正中だけを合わせようとすると、かえって噛み合わせが悪くなったり、口元が歪んで見えたりするリスクがあります。そのため、精密検査を行い、ズレの根本原因がどこにあるかを正しく診断してもらうことが、失敗しない矯正治療の第一歩です。

4. 正中ずれを矯正する場合の費用相場と期間

歯の正中(真ん中)がずれている状態を改善するための矯正治療は、原則として健康保険が適用されない自由診療(自費診療)となります。そのため、治療を受ける歯科医院や選択する矯正装置、そして治療範囲によって費用と期間は大きく変動します。

正中のずれを治すためには、単に前歯を動かすだけで済むのか、それとも奥歯を含めた全体の噛み合わせや顎の位置から調整する必要があるのかを見極めることが重要です。ここでは、部分矯正と全体矯正それぞれの一般的な費用相場と治療期間の目安について解説します。

なお、矯正治療にかかる費用は、装置代だけでなく、初診料、検査診断料、通院ごとの調整料、そして治療後の保定装置(リテーナー)代などが別途必要になる場合があるため、トータルでいくらかかるかを事前に確認することが大切です。

4.1 部分矯正で安く済む場合の費用と期間

部分矯正は、奥歯の噛み合わせを変えずに、前歯の数本だけを動かして見た目を整える治療法です。正中のずれが軽度であり、その原因が前歯の傾きや隙間にある場合に適応されます。

全体矯正と比較して動かす歯の本数が少ないため、費用を安く抑えられ、治療期間も短く済むのが最大の特徴です。ただし、骨格的なずれや重度の歯列不正がある場合には適応できないことがあります。

矯正装置の種類 費用の相場(目安) 治療期間の目安
表側ワイヤー矯正(部分) 30万円 ~ 60万円 3ヶ月 ~ 1年
裏側ワイヤー矯正(部分) 40万円 ~ 70万円 5ヶ月 ~ 1年半
マウスピース矯正(部分) 30万円 ~ 60万円 5ヶ月 ~ 1年半

部分矯正で正中を合わせる場合、歯を削ってスペースを作る「IPR(ディスキング)」という処置を併用することがあります。これにより、限られたスペースの中で歯を移動させ、中心を揃える微調整を行います。

費用面でのメリットは大きいですが、無理に部分矯正を行うと噛み合わせが悪化するリスクもあるため、歯科医師による慎重な診断が不可欠です。

4.2 全体矯正を行う場合の費用と期間

全体矯正は、前歯だけでなく奥歯も含めたすべての歯を動かし、噛み合わせと歯並び全体を再構築する治療法です。正中のずれが大きく、その原因が顎のズレや奥歯の噛み合わせ、あるいは重度の叢生(ガタガタの歯並び)にある場合は、全体矯正が必要となります。

部分矯正よりも費用は高額になり、期間も長くかかりますが、根本的な原因を解消し、機能的で美しい噛み合わせを得られる点がメリットです。

矯正装置の種類 費用の相場(目安) 治療期間の目安
表側ワイヤー矯正(全体) 60万円 ~ 100万円 1年半 ~ 3年
裏側ワイヤー矯正(全体) 100万円 ~ 150万円 2年 ~ 3年
ハーフリンガル矯正
(上は裏側、下は表側)
80万円 ~ 130万円 2年 ~ 3年
マウスピース矯正(全体) 70万円 ~ 100万円 1年半 ~ 3年

全体矯正では、左右の歯の移動量をコントロールしたり、顎間ゴム(エラスティック)を使用したりして、上下の歯列の正中を一致させる精密な治療が行われます。

また、費用については高額になりますが、噛み合わせの改善を目的とする矯正治療は医療費控除の対象となる場合が多いため、確定申告を行うことで実質的な負担額を軽減できる可能性があります。デンタルローンなどを利用して分割払いを選択できる歯科医院も増えています。

なお、顎変形症など骨格に著しい異常があり、外科手術を併用する矯正治療が必要と診断された場合に限り、指定の医療機関で公的医療保険が適用されるケースがあります。

5. 正中ずれの矯正方法ごとの特徴と選び方

前歯の正中ずれを治すための矯正方法は、大きく分けて「ワイヤー矯正」と「マウスピース矯正」の2種類があります。どちらの方法でも正中を合わせる治療は可能ですが、ズレの大きさや歯並びの状態、ライフスタイルによって適した方法は異なります。

まずは、それぞれの矯正方法における正中是正のアプローチや特徴を比較して見ていきましょう。

比較項目 ワイヤー矯正 マウスピース矯正
目立ちにくさ △(裏側矯正なら◎) ◎(透明で目立ちにくい)
適応症例 重度のズレや抜歯症例にも強い 軽度〜中等度のズレが得意
正中合わせの方法 ワイヤーの調整とゴムかけ IPR(歯の研磨)やゴムかけ
自己管理 不要(固定式) 必要(1日20時間以上の装着)
痛み 調整直後に痛みが出やすい 比較的マイルド

5.1 ワイヤー矯正による治療

ワイヤー矯正は、歯の表面(または裏側)に「ブラケット」と呼ばれる装置を装着し、そこにワイヤーを通して歯を動かす最も歴史と実績のある治療法です。

正中ずれを治す場合、ワイヤー矯正は歯を3次元的に大きく動かす力が強いため、重度の正中不一致や抜歯を伴う大きなスペースの閉鎖が必要なケースに適しています。

ワイヤー矯正で正中を合わせる主なアプローチは以下の通りです。

  • 左右非対称な抜歯や移動:
    左右の歯の移動量を変えることで、中心を真ん中に寄せます。
  • 顎間ゴム(エラスティック)の使用:
    上の歯と下の歯に小さなゴムをかけ、その引っ張り合う力を利用して上下の正中を一致させます。ワイヤー矯正はゴムかけのフックを設置しやすく、効率的に力をかけられます。

また、ワイヤー矯正には装置をつける位置によって2つの種類があります。

  • 表側矯正(ラビアル矯正):
    歯の表側に装置をつけます。最も適応範囲が広く、治療費も比較的抑えられますが、装置が目立ちます。
  • 裏側矯正(リンガル矯正):
    歯の裏側に装置をつけます。外からはほとんど見えませんが、費用が高額になりやすく、舌感が悪くなることがあります。

「見た目よりも確実な仕上がりを優先したい」「ズレが大きく難易度が高いと言われた」という方には、ワイヤー矯正が選ばれる傾向にあります。

5.2 マウスピース矯正による治療

マウスピース矯正(インビザラインなど)は、透明で薄いプラスチック製のマウスピース(アライナー)を段階的に交換しながら歯を動かす治療法です。

正中ずれの治療において、マウスピース矯正は治療開始前に3Dシミュレーションで「正中がどのように合っていくか」を可視化できる点が大きなメリットです。

マウスピース矯正で正中を合わせるための主なアプローチは以下の通りです。

  • IPR(ディスキング):
    歯の側面をわずかに削ってスペースを作り、その隙間を利用して歯全体を左右にスライドさせて正中を合わせます。
  • 遠心移動:
    奥歯を後ろに下げることでスペースを作り、前歯を移動させます。これはマウスピース矯正が得意とする動きの一つです。
  • 顎間ゴムの併用:
    マウスピースに切れ込み(プレシジョンカット)やボタンをつけてゴムをかけ、上下の噛み合わせと正中を調整します。

ただし、マウスピース矯正は患者さん自身が1日20時間以上装着しなければ歯が動かないため、自己管理が非常に重要です。また、骨格的なズレが大きすぎる場合や、歯の根っこを大きく平行移動させる必要がある場合には、ワイヤー矯正の方が適していることもあります。

「周りに気づかれずに矯正したい」「結婚式などのイベントに合わせて取り外したい」というニーズがあり、かつ正中のズレが歯の移動だけで解決できる範囲(歯性)である場合には、マウスピース矯正が最適解となることが多いでしょう。

6. 自力で正中ずれを直すことは可能か

インターネットやSNSでは「自力で歯並びを治す方法」といった情報を見かけることがありますが、結論から申し上げますと、自力で正中ずれを直すことはできません。

歯科矯正は、歯槽骨(歯を支える骨)の代謝を利用して、非常に弱い力を持続的にかけることで歯を移動させる医療行為です。専門的な知識と技術を持たない個人が、見よう見まねで歯を動かそうとすることは、効果がないばかりか、取り返しのつかない事故につながる危険性が極めて高いため、絶対に行わないでください。

6.1 自力では直すことはできない

正中ずれを解消するためには、単に前歯を左右に動かせば良いわけではありません。奥歯の噛み合わせや顎の位置関係を含めた全体的なバランスを調整する必要があります。

市販の矯正用マウスピースやゴムバンド、あるいは指で押すといった自己流の方法(DIY矯正)には、以下のような重大なリスクが伴います。

リスクの項目 具体的な症状と危険性
歯根吸収(しこんきゅうしゅう) 過度な力が加わることで、歯の根っこが溶けて短くなってしまう現象です。進行すると歯がグラグラになり、最悪の場合は抜け落ちてしまいます。
歯髄壊死(しずいえし) 歯の神経が死んでしまうことです。歯の色が黒ずんで変色したり、根の先に膿が溜まったりする原因となります。
歯肉退縮(しにくたいしゅく) 歯茎が下がって歯の根が露出してしまう状態です。知覚過敏の原因になるほか、見た目も悪くなり、元に戻すことは困難です。
噛み合わせの悪化 特定の歯だけに力がかかり、噛み合わせのバランスが崩れることで、顎関節症や頭痛、肩こりなどを引き起こす可能性があります。

このように、自己判断での矯正は歯の寿命を縮める行為に他なりません。歯を安全かつ確実に動かすためには、公益社団法人 日本矯正歯科学会などが認定する専門的な知識を持った歯科医師による診断と治療計画が不可欠です。

6.2 医療法人 札幌矯正歯科 宮の沢エミル矯正歯科では矯正相談を行っています

前歯の正中ずれが「歯の生え方」によるものなのか、それとも「顎の骨格」によるものなのかを自己判断することは困難です。原因によって適切な治療法(部分矯正で済むのか、全体矯正が必要なのか)も大きく異なります。

札幌市西区にある医療法人 札幌矯正歯科 宮の沢エミル矯正歯科では、患者様一人ひとりの歯並びや噛み合わせの状態を精密に検査し、最適な治療プランを提案するための矯正相談を行っています。

当院は日本矯正歯科学会の認定医が在籍しており、ワイヤー矯正から目立ちにくいマウスピース矯正(インビザライン)まで、幅広い治療オプションに対応しています。地下鉄東西線「宮の沢駅」から徒歩1分とアクセスも良好ですので、正中ずれや歯並びでお悩みの方は、自己流で対処しようとせず、まずは一度専門家の診断を受けてみることを強くおすすめします。

7. まとめ

前歯の正中ずれは、歯の生え方や顎の骨格、頬杖などの癖が主な原因です。軽度であれば費用を抑えられる部分矯正で改善できる可能性がありますが、骨格的な問題や大きな移動が必要な場合は全体矯正が適しています。

自力での矯正は歯や歯茎を傷つける危険性が高いため、絶対に避けましょう。ご自身の症状が部分矯正の適応範囲内か、どの治療法が最適かを知るためには、歯科医師による精密な診断が不可欠です。まずは信頼できる矯正歯科でカウンセリングを受け、自分に合った治療計画を立てることが大切です。

札幌で矯正歯科を検討中の方は、ぜひ医療法人 札幌矯正歯科 宮の沢エミル矯正歯科でご相談ください。矯正治療のご相談をご希望の方は、下記のボタンよりお気軽にご予約ください。

この記事の監修者

尾立 卓弥(おだち たくや)

医療法人札幌矯正歯科 理事長
宮の沢エミル矯正歯科 院長

北海道札幌市の矯正専門クリニック「宮の沢エミル矯正歯科」院長。
日本矯正歯科学会 認定医。

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