歯科矯正はお金ないから無理?費用を抑える安い矯正方法と賢い支払い計画
「歯科矯正はお金がかかるから無理かも…」と諦めていませんか?この記事を読めば、費用相場から、部分矯正やマウスピース矯正など費用を抑える方法、分割払いやデンタルローン、医療費控除といった支払い計画の選択肢、安い矯正のリスクまでわかります。工夫次第で歯科矯正は実現可能です。賢い選択で理想の歯並びを目指しましょう。
1. 歯科矯正 お金ない と諦める前に知りたい費用相場
「歯並びは気になるけど、歯科矯正は高額だから…」と、費用面を理由に治療を諦めてしまう方は少なくありません。確かに歯科矯正は自由診療が基本となるため、決して安い治療ではありません。しかし、具体的な費用相場を知ることで、漠然とした不安が解消され、治療への道筋が見えてくることもあります。
一口に歯科矯正と言っても、治療範囲や使用する装置、歯並びの状態によって費用は大きく異なります。まずは、一般的な歯科矯正の費用相場を把握し、ご自身の状況と照らし合わせてみましょう。
歯科矯正の費用は、大きく分けて「全体矯正」と「部分矯正」で異なります。また、使用する装置の種類によっても費用が変わってきます。代表的な矯正方法とその費用相場、おおよその治療期間の目安を以下の表にまとめました。
矯正の種類 | 主な治療法 | 費用相場(税込) | 治療期間目安 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
全体矯正 (歯全体の矯正) |
ワイヤー矯正(表側・メタル) | 60万円~100万円 | 1年~3年程度 | 最も一般的。費用が比較的抑えられるが、金属色が目立つ。 |
ワイヤー矯正(表側・審美ブラケット) (セラミック/ジルコニア/プラスチックなど) |
80万円~120万円 | 1年~3年程度 | ブラケットが白や透明で目立ちにくい。メタルより費用は高め。 | |
ワイヤー矯正(裏側・リンガル) | 100万円~150万円 | 2年~3年程度 | 歯の裏側に装置をつけるため、外から見えない。費用は高額になりがちで、技術も必要。 | |
マウスピース矯正 | 70万円~110万円 | 1年~3年程度 | 透明なマウスピースを交換していく。目立たないが、適応症例が限られる場合がある。自己管理が重要。 | |
ハーフリンガル矯正 (上:裏側、下:表側など) |
85万円~130万円 | 2年~3年程度 | 目立ちやすい上の歯を裏側、下の歯を表側にするなど組み合わせる方法。 | |
部分矯正 (前歯など気になる部分のみ) |
ワイヤー矯正(表側) | 30万円~60万円 | 数ヶ月~1年程度 | 気になる部分だけを整えるため、費用と期間を抑えられる。適応が限られる。 |
ワイヤー矯正(裏側) | 40万円~70万円 | 数ヶ月~1年程度 | 部分矯正でも目立たせたくない場合に選択肢となる。 | |
マウスピース矯正 | 30万円~70万円 | 数ヶ月~1年程度 | 軽度の前歯のズレなどに適応されることが多い。 |
※上記の費用相場や治療期間はあくまで目安であり、個々の症例や歯科医院によって異なります。
ご覧のように、全体を治すのか、一部分だけ治すのか、そしてどの装置を選ぶのかによって、費用には大きな幅があります。「お金ない」と感じている場合でも、部分矯正や比較的安価な装置を選択肢に入れることで、予算内で治療が可能になるケースもあります。
また、上記の費用相場はあくまで「装置料」や「基本的な技術料」の目安です。実際の総額は、これに加えて以下の費用が含まれるか、別途必要になるかを確認する必要があります。
- カウンセリング料:初回の相談にかかる費用(無料の場合も多い)
- 検査・診断料:レントゲン撮影、歯型採取、写真撮影、治療計画立案などにかかる費用(通常3万円~5万円程度)
- 調整料(処置料):通院ごとにかかる費用(1回あたり3,000円~1万円程度、月1回程度が目安)
- 保定装置料(リテーナー):矯正治療後、歯並びが元に戻るのを防ぐ装置の費用(2万円~6万円程度)
- 保定観察料:保定期間中の定期チェックにかかる費用
歯科医院によっては、これらの費用がすべて含まれた「トータルフィー(総額固定制)」を採用している場合と、治療の進行に合わせて「調整料」などが別途発生する場合があります。「お金ない」状況だからこそ、最初に提示された金額以外に追加費用が発生しないか、支払い総額がいくらになるのかをしっかり確認することが重要です。
さらに、虫歯や歯周病がある場合はその治療費、抜歯が必要な場合は抜歯費用などが別途必要になることも念頭に置いておきましょう。これらの費用も含めて、ご自身の予算内で治療が可能かどうかを検討する必要があります。
まずは、これらの費用相場を参考に、ご自身の希望する治療法や予算感について具体的に考えてみましょう。次の章では、さらに費用を抑えるための具体的な方法について詳しく解説していきます。
2. 歯科矯正の費用を抑える 安い方法と選択肢
歯科矯正は高額なイメージがありますが、諦めるのはまだ早いです。「お金ない」状況でも、工夫次第で費用を抑え、理想の歯並びを手に入れることは可能です。ここでは、費用を抑えるための具体的な方法や選択肢を詳しくご紹介します。
2.1 費用が安い傾向にある歯科矯正の種類
歯科矯正には様々な種類があり、それぞれ費用が異なります。費用を抑えたい場合、まずは比較的安価な選択肢を知ることが重要です。
2.1.1 全体矯正より安い部分矯正
部分矯正は、気になる部分だけをピンポイントで矯正する方法です。例えば、「前歯の隙間だけ閉じたい」「下の歯のガタつきだけ治したい」といった場合に適しています。歯全体を動かす全体矯正に比べて、治療範囲が限定されるため、治療期間が短く、費用も安く抑えられる傾向にあります。
費用相場は一般的に20万円~60万円程度と、全体矯正(60万円~150万円程度)と比較して大幅に安くなる可能性があります。ただし、噛み合わせに問題がある場合や、歯並びの状態によっては部分矯正が適用できないケースもあります。まずは歯科医師に相談し、ご自身の歯並びが部分矯正に適しているか診断してもらうことが大切です。
2.1.2 マウスピース矯正の費用目安
透明なマウスピースを段階的に交換していくことで歯を動かすマウスピース矯正は、目立ちにくいことから人気の高い治療法です。費用はブランドや治療範囲(全体矯正か部分矯正か)、歯並びの難易度によって大きく異なります。
以下は一般的な費用目安です。
種類 | 費用目安 | 特徴 |
---|---|---|
全体矯正(マウスピース) | 70万円~120万円程度 | 奥歯を含む歯全体の矯正。対応できる症例が多い。 |
部分矯正(マウスピース) | 30万円~70万円程度 | 前歯など、気になる部分のみを矯正。比較的軽度な症例向け。 |
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正に比べて通院頻度が少ない場合がある点も、忙しい方にとってはメリットと言えるでしょう。ただし、装着時間を守るなど、患者さん自身の協力が不可欠な治療法です。
2.1.3 ワイヤー矯正の種類別 費用比較
歯の表面または裏面にブラケットという装置を取り付け、ワイヤーを通して歯を動かすワイヤー矯正は、最も歴史があり、多くの症例に対応できる矯正方法です。使用する装置の種類によって費用や見た目が異なります。
ワイヤー矯正の種類 | 費用目安 | 特徴 |
---|---|---|
表側矯正(メタルブラケット) | 60万円~100万円程度 | 最も一般的で費用が比較的安い。装置が銀色で目立ちやすい。 |
表側矯正(審美ブラケット) | 70万円~110万円程度 | ブラケットが白や透明で目立ちにくい。メタルより費用は高め。 |
裏側矯正(舌側矯正) | 100万円~150万円程度 | 歯の裏側に装置をつけるため、外からは見えない。費用は最も高い傾向。技術的な難易度も高い。 |
費用を最優先するなら表側矯正のメタルブラケットが選択肢となりますが、見た目が気になる場合は審美ブラケットを選ぶこともできます。裏側矯正は費用が高くなりますが、矯正していることを他人に気づかれにくいという大きなメリットがあります。ご自身の優先順位に合わせて選択しましょう。
2.1.4 宮の沢エミル矯正歯科の料金表はこちら
具体的な料金体系は歯科医院によって異なります。参考として、当院、医療法人札幌矯正歯科、宮の沢エミル矯正歯科の料金表をご確認いただくことで、より詳細な費用のイメージを掴むことができるでしょう。料金ページでは、各矯正方法の費用や、支払い方法について詳しく案内されています。
2.2 無理なく支払うための方法
矯正費用は高額ですが、一括で支払う必要はありません。様々な支払い方法を活用することで、月々の負担を軽減し、無理なく治療を進めることができます。
2.2.1 分割払いやデンタルローンの賢い使い方
多くの歯科医院では、治療費の分割払いに対応しています。また、金融機関が提供するデンタルローン(歯科治療専用のローン)を利用する方法もあります。デンタルローンは、一般的なカードローンよりも金利が低い傾向にあり、まとまった費用を長期的に返済していくことが可能です。
分割払いやデンタルローンを利用する際は、以下の点に注意しましょう。
- 金利・手数料:分割回数やローン会社によって金利や手数料が異なります。総額でいくら支払うことになるのか、事前にしっかり確認しましょう。
- 審査:デンタルローンには審査があります。安定した収入があるかなどが問われます。
- 返済計画:月々の返済額が無理なく続けられるか、事前にシミュレーションすることが重要です。
複数のローン商品を比較検討し、最も条件の良いものを選ぶことが賢い使い方と言えます。
2.2.2 クレジットカード払いのメリット デメリット
クレジットカード払いに対応している歯科医院も増えています。クレジットカードを利用すれば、ポイントが付与されたり、支払いを翌月以降に遅らせたりできるメリットがあります。また、カード会社の分割払いやリボ払いを利用することも可能です。
ただし、デメリットもあります。
- 利用限度額:カードの利用限度額を超えてしまう場合は利用できません。
- 分割・リボ払いの金利:カード会社の分割払いやリボ払いは、デンタルローンや院内分割に比べて金利が高くなる場合があります。利用前に金利を確認しましょう。
- 対応状況:すべての歯科医院でクレジットカード払いに対応しているわけではありません。事前に確認が必要です。
2.2.3 歯科医院独自の分割払い制度
歯科医院によっては、独自の分割払い制度(院内分割)を設けている場合があります。これは、信販会社などを介さず、歯科医院と直接契約する分割払いです。
最大のメリットは、金利や手数料がかからないケースが多いことです。ただし、支払い回数や期間に上限が設けられていることが一般的です(例:治療期間内での支払い完了など)。デンタルローンに比べて手続きが簡単な場合もありますが、利用条件は医院によって異なるため、カウンセリング時に詳細を確認しましょう。
2.3 活用できる公的な制度
歯科矯正費用の一部は、公的な制度を利用することで負担を軽減できる可能性があります。
2.3.1 医療費控除で負担を軽減できる条件
歯科矯正が「治療目的」であると医師に診断された場合、医療費控除の対象となり、支払った所得税の一部が還付される可能性があります。「容貌の美化」を目的とした矯正は対象外ですが、噛み合わせが悪く、咀嚼障害や発音障害などを改善するための矯正は、治療目的と認められるケースが多いです。
対象となる費用は、矯正治療費だけでなく、通院にかかった交通費(公共交通機関)なども含まれます。医療費控除を受けるには、確定申告が必要です。領収書はもちろん、診断書が必要になる場合もあるため、事前に歯科医師に相談し、必要な書類を確認しておきましょう。詳しくは国税庁のウェブサイトや、税務署、税理士にご確認ください。
2.3.2 保険適用される歯科矯正のケース
基本的に歯科矯正は自由診療(保険適用外)ですが、例外的に保険が適用されるケースがあります。具体的には、以下のような場合です。
- 厚生労働大臣が定める特定の先天性疾患(唇顎口蓋裂など)に起因する噛み合わせの異常
- 顎変形症(がくへんけいしょう)と診断され、顎の骨を切るなどの外科手術が必要な場合の矯正治療
- 前歯3歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするもの)
これらの保険適用治療を受けるには、厚生労働大臣が指定する医療機関(指定自立支援医療機関、顎口腔機能診断施設など)で治療を受ける必要があります。ご自身の症状が保険適用に該当するかどうかは、専門的な判断が必要となるため、まずは歯科医師に相談することが重要です。
2.4 さらに費用を抑える工夫
上記以外にも、矯正費用を少しでも抑えるための工夫があります。
2.4.1 モニター募集やキャンペーン情報
歯科医院によっては、治療費が割引になるモニターを募集していることがあります。モニターは、治療経過の写真や動画の提供、アンケートへの協力などを条件に、通常よりも安い費用で治療を受けられる制度です。また、期間限定で特定の矯正方法の割引キャンペーンなどを実施している場合もあります。
これらの情報は、歯科医院のウェブサイトやSNS、矯正歯科専門のポータルサイトなどで見つけることができます。ただし、モニターには条件や人数制限があることが多く、キャンペーンも期間が限られています。安さだけに飛びつかず、条件や内容をよく確認し、信頼できる医院かどうかを見極めることが大切です。
2.4.2 複数医院でのカウンセリングと比較検討
費用を抑え、かつ納得のいく治療を受けるために最も重要なことの一つが、複数の歯科医院でカウンセリングを受けることです。多くの医院では無料カウンセリングを実施しています。
カウンセリングでは、以下の点を比較検討しましょう。
- 提示された治療方針と、その根拠
- 矯正方法の種類とそれぞれのメリット・デメリット
- 治療費の総額(検査料、装置料、調整料、保定装置料など全てを含むか)
- 追加費用が発生する可能性とその条件
- 支払い方法の種類と条件(分割払い、ローン、金利など)
- 予想される治療期間
- 担当する歯科医師との相性や説明の分かりやすさ
- 医院の雰囲気や通いやすさ
複数の意見を聞くことで、ご自身に最適な治療法や、適正な費用相場を把握することができます。手間はかかりますが、高額な治療だからこそ、慎重に比較検討することをおすすめします。
3. 安い歯科矯正を選ぶ際の注意点 お金ないからこそのリスク回避
歯科矯正は高額な治療ですが、「お金ない」という理由だけで安易に費用が安い歯科医院を選んでしまうと、かえって費用がかさんだり、満足のいく結果が得られなかったりするリスクがあります。費用を抑えたい気持ちは当然ですが、後悔しないためには、安さの裏に潜む可能性のあるデメリットや注意点をしっかり理解しておくことが重要です。ここでは、安い歯科矯正を選ぶ際に特に注意すべき点と、信頼できる歯科医院を見極めるためのポイントを解説します。
3.1 安さだけで選ぶ危険性
提示されている費用が相場よりも極端に安い場合、なぜその価格で提供できるのか、背景を考える必要があります。安さだけを判断基準にしてしまうと、以下のようなトラブルに繋がる可能性があります。
安さ重視で起こりうるリスク | 具体的なトラブル例 |
---|---|
治療の質の低下 | 精密な検査や診断が行われず、個々の歯並びや顎の状態に適さない治療計画が立てられる。経験の浅い歯科医師が担当したり、技術的な問題で歯が計画通りに動かなかったり、最終的な噛み合わせが悪化したりするケース。 |
予期せぬ追加費用 | 最初に提示された金額に含まれる治療範囲が限定的で、毎回の調整料、検査料、治療計画の変更に伴う費用、保定装置(リテーナー)代などが別途必要になり、結果的に総額が高くなるパターン。契約内容をよく確認しないと、後から高額な請求を受けることも。 |
治療期間の長期化 | 不適切な治療計画や技術不足により、歯がスムーズに動かず、予定していた期間よりも大幅に治療が長引く。トラブルが発生し、治療の中断ややり直しが必要になることもあります。 |
健康被害 | 無理な力をかけて歯を動かすことで、歯の根が短くなる「歯根吸収」が起こるリスク。矯正装置の管理指導が不十分で、虫歯や歯周病が悪化する。不適切な噛み合わせにより、顎関節症を発症したり、悪化させたりする可能性も否定できません。 |
アフターフォロー不足 | 治療終了後の保定期間の重要性が十分に説明されず、定期的なチェックが行われない。後戻り(歯並びが元に戻ろうとする現象)が起きた際の対応が不十分であったり、保証制度が整っていなかったりする。 |
これらのリスクは、「お金ない」状況だからこそ避けたいものです。安さに惹かれて契約した結果、再治療が必要になり、結局は時間も費用も余計にかかってしまうという事態は絶対に避けなければなりません。
3.2 信頼できる歯科医院を見極めるポイント
費用を抑えつつ、安全で質の高い歯科矯正治療を受けるためには、安さだけでなく、総合的に信頼できる歯科医院を選ぶことが不可欠です。「お金ない」状況だからこそ、慎重な医院選びが求められます。以下のポイントを参考に、複数の歯科医院を比較検討しましょう。
- カウンセリングの質: あなたの悩みや希望を丁寧に聞き取り、治療に関する質問に分かりやすく、誠実に答えてくれるか。治療のメリットだけでなく、デメリットやリスクについてもきちんと説明があるか。時間をかけて納得いくまで相談できる雰囲気かを確認しましょう。
- 検査・診断の精密さ: レントゲン(セファログラムなど)やCT、口腔内スキャナーなどの精密検査機器を用いて、歯並びだけでなく、顎の骨格や関節の状態まで正確に診断しているか。精密な診断に基づいた治療計画こそが、成功の鍵となります。
- 治療計画の妥当性と透明性: なぜその治療法が最適なのか、具体的な治療手順、予想される治療期間、そして最も重要な治療費の総額(調整料や保定装置代などを含む)が明確に提示されているか。複数の選択肢がある場合は、それぞれのメリット・デメリットを説明してくれるかも重要です。
- 担当医の実績・経験・専門性: 担当する歯科医師の矯正治療に関する経験年数や症例数、日本矯正歯科学会などの認定医・専門医資格の有無を確認しましょう。資格は一定の知識と技術レベルを保証するものであり、判断材料の一つになります。
- 料金体系の透明性: 提示された費用に何が含まれ、何が含まれないのか(追加費用の可能性)を書面で明確に示してくれるか。分割払いやデンタルローンなど、支払い方法の選択肢についても確認しましょう。
- 衛生管理体制: 院内の清掃状況や、治療器具の滅菌・消毒が徹底されているかは、感染予防の観点から非常に重要です。清潔感があり、安心して治療を受けられる環境かを確認しましょう。
- アフターフォロー・保証制度: 治療終了後の保定期間の重要性や、定期検診の頻度、万が一後戻りした場合の対応や保証内容について、事前にしっかりと説明があるかを確認します。長期的な視点でサポートしてくれる体制が整っていると安心です。
- コミュニケーションの取りやすさ: 治療期間中は、歯科医師やスタッフと長い付き合いになります。疑問や不安を気軽に相談できるか、スタッフの対応は丁寧かなど、コミュニケーションの取りやすさも大切なポイントです。
- 口コミ・評判: インターネット上の口コミや評判は参考になりますが、あくまで個人の感想であるため鵜呑みにせず、多角的な視点で判断材料の一つとしましょう。良い口コミだけでなく、悪い口コミの内容も確認し、自分にとって許容できる範囲かを見極めることが大切です。
これらのポイントを、無料カウンセリングなどを利用して複数の歯科医院で確認し、比較検討することが、「お金ない」状況でも後悔しない歯科矯正を実現するための賢い方法と言えるでしょう。
4. お金ない状況でも実現可能 賢い歯科矯正の支払い計画
「歯科矯正はお金がかかるから無理…」そう考えて諦めてしまうのは、まだ早いかもしれません。確かに歯科矯正は自由診療が基本であり、決して安い治療ではありません。しかし、事前にしっかりと情報収集し、計画的に支払い方法を検討すれば、予算が限られていても実現できる可能性は十分にあります。この章では、お金がない状況でも諦めずに、賢く歯科矯正の支払い計画を立てるための具体的なステップとポイントを解説します。
4.1 無料カウンセリングの重要性
賢い支払い計画の第一歩は、歯科医院が実施している無料カウンセリングを最大限に活用することです。無料カウンセリングは、単に治療方法の説明を受けるだけでなく、費用に関する疑問や不安を直接歯科医師やスタッフに相談できる貴重な機会です。特に費用面での不安が大きい場合は、遠慮なく質問し、納得できるまで説明を求めましょう。
多くの歯科医院では、矯正治療に関する無料カウンセリングを実施しています。可能であれば、複数の歯科医院でカウンセリングを受け、治療内容や費用、支払い方法などを比較検討することを強くおすすめします。それぞれの医院で提示される見積もりや支払いプランを比較することで、ご自身の経済状況に最も合った選択肢を見つけやすくなります。
4.1.1 カウンセリングで確認すべき支払い関連の質問リスト
無料カウンセリングを有意義なものにするためには、事前に質問したいことをリストアップしておくことが重要です。特に支払いに関しては、以下の点を明確にしておきましょう。
確認項目 | 質問例 | 確認のポイント |
---|---|---|
治療費総額 | 「提示された費用には、検査料、装置代、毎月の調整料、保定装置代など、治療開始から終了までにかかる全ての費用が含まれていますか?」 | どこまでが費用に含まれているのか、総額を正確に把握することが最も重要です。内訳も確認しましょう。 |
追加費用の可能性 | 「治療期間が予定より延びた場合や、装置が破損した場合など、追加で費用が発生する可能性はありますか?あるとしたら、どのような場合にいくらくらいかかりますか?」 | 予期せぬ出費に備えるため、追加費用が発生する条件とその概算を確認しておきましょう。 |
支払い方法の種類 | 「支払い方法にはどのような選択肢がありますか?(現金一括、院内分割、クレジットカード、デンタルローンなど)」 | 利用可能な支払い方法を全て確認し、それぞれのメリット・デメリットを理解しましょう。 |
分割払い・ローン | 「院内分割の場合、手数料はかかりますか?デンタルローンを利用する場合、提携している信販会社はありますか?金利はどのくらいですか?手続きはどのように進めますか?」 | 分割払いやローンを利用する場合、手数料や金利を含めた総支払額がいくらになるかを必ず確認しましょう。手続きのサポート体制も確認ポイントです。 |
支払いタイミング | 「支払いはいつから始まり、いつまで続きますか?頭金は必要ですか?」 | キャッシュフローを管理するために、支払いスケジュールを具体的に把握しておきましょう。 |
医療費控除 | 「医療費控除の対象になりますか?診断書などの書類作成はお願いできますか?」 | 節税につながる可能性があるので、対象になるか、手続きに必要な書類について確認しましょう。 |
これらの質問を通じて、費用に関する不明点をなくし、安心して治療に臨めるように準備しましょう。
4.2 予算設定とシミュレーションのすすめ
無料カウンセリングで得た情報をもとに、次は具体的な予算設定と支払いシミュレーションを行います。歯科矯正は治療期間が年単位でかかることが多いため、長期的な視点で無理のない支払い計画を立てることが極めて重要です。現在の収入や支出、貯蓄状況などを考慮し、毎月いくらまでなら矯正費用として捻出できるかを現実的に考えましょう。
4.2.1 支払い総額の把握と月々の負担額の計算方法
カウンセリングで提示された見積もりをもとに、まずは支払い総額を正確に把握します。これには、検査料、装置代、調整料、保定装置代など、治療完了までにかかる全ての費用を含めます。追加費用が発生する可能性も考慮に入れておくと、より安心です。
次に、希望する支払い方法(分割回数など)に応じて、月々の負担額を計算します。例えば、総額が80万円で、手数料無料の院内分割40回払いを利用できる場合、月々の支払いは2万円となります。デンタルローンを利用する場合は、金利手数料を含めた総支払額と月々の返済額をシミュレーションする必要があります。
計算式:
月々の支払額 = (治療費総額 + 分割手数料・金利) ÷ 支払い回数
この計算を基に、毎月の家計への影響を確認し、無理なく支払いを続けられるか判断しましょう。
4.2.2 デンタルローンや分割払いのシミュレーション例
デンタルローンを利用する場合、金利によって総支払額が大きく変わるため、事前のシミュレーションが不可欠です。多くの信販会社のウェブサイトには返済シミュレーションツールが用意されています。歯科医院によっては、提携ローンのシミュレーションをその場でしてくれることもあります。
以下は、治療費80万円をデンタルローン(年利5%)で支払う場合のシミュレーション例です。
支払い回数 | 月々の支払額(目安) | 支払総額(目安) | 手数料総額(目安) |
---|---|---|---|
24回 (2年) | 約35,000円 | 約841,000円 | 約41,000円 |
36回 (3年) | 約24,000円 | 約863,000円 | 約63,000円 |
48回 (4年) | 約18,400円 | 約885,000円 | 約85,000円 |
60回 (5年) | 約15,100円 | 約907,000円 | 約107,000円 |
※上記はあくまで目安です。実際の金利や返済額はローン会社や契約内容によって異なります。
このように、支払い回数を増やすと月々の負担は軽くなりますが、金利手数料が増え、支払総額は増加します。ご自身の家計状況に合わせて、最適なバランスを見つけることが大切です。院内分割に手数料がかからない場合は、そちらを優先的に検討するのも良いでしょう。
4.2.3 予期せぬ追加費用への備え
どんなに綿密に計画を立てても、予期せぬ事態が発生する可能性はゼロではありません。例えば、以下のようなケースで追加費用が発生することが考えられます。
- 治療計画の変更が必要になった場合
- 虫歯や歯周病の治療が必要になった場合
- 矯正装置が破損・紛失した場合
- 通院回数が予定より増えた場合(調整料が都度払いの場合など)
- 治療期間が延長した場合の追加調整料や保定期間の延長
こうした不測の事態に備え、ある程度の予備費を予算に組み込んでおくと安心です。カウンセリングの際に、どのような場合に追加費用が発生する可能性があるのか、その目安額とともに詳しく確認しておくことがリスク回避につながります。
しっかりとした支払い計画を立てることで、「お金ない」という状況でも、憧れのきれいな歯並びを手に入れる道筋が見えてくるはずです。次のステップとして、信頼できる歯科医院選びのポイントも押さえておきましょう。
5. まとめ
歯科矯正は高額なイメージがありますが、「お金がない」という理由だけで諦める必要はありません。費用相場を理解した上で、部分矯正や費用を抑えやすい種類のマウスピース矯正・ワイヤー矯正を選ぶ、分割払いやデンタルローン、医療費控除などの制度を賢く利用するといった方法があります。ただし、安さだけで判断せず、信頼できる歯科医院でしっかり相談することが重要です。無料カウンセリングを活用し、ご自身の予算に合った無理のない支払い計画を立てることで、理想の歯並びを実現しましょう。
矯正治療のご相談をご希望の方は、下記のボタンよりお気軽にご予約ください。
この記事の監修者
尾立 卓弥(おだち たくや)
医療法人札幌矯正歯科 理事長
宮の沢エミル矯正歯科 院長
北海道札幌市の矯正専門クリニック「宮の沢エミル矯正歯科」院長。
日本矯正歯科学会 認定医。