ブログ

  • HOME > 
  • ブログ > 
  • 芸能人はなぜセラミック矯正?費用・リスク…
2025.04.30

芸能人はなぜセラミック矯正?費用・リスク・メリットまで徹底解説

芸能人はなぜセラミック矯正?費用・リスク・メリットまで徹底解説

 

anime_idol_smile

テレビで見る芸能人のきれいな歯並び。その秘密はセラミック矯正かもしれません。この記事では、なぜ多くの芸能人がセラミック矯正を選ぶのか、その理由を徹底解説します。短期間で審美性を高められるメリットから、費用相場、健康な歯を削るリスク、藤田ニコルさんのような実例まで網羅的にご紹介。セラミック矯正の全てを知り、後悔しないための判断材料が得られます。

目次

1. そもそもセラミック矯正とはどんな治療?

「セラミック矯正」という言葉を聞くと、歯並びを整える「矯正歯科治療」の一種だと思われるかもしれません。しかし、セラミック矯正は、厳密には歯を動かして歯並びを改善する治療法ではありません。実際には、歯の表面を削り、その上にセラミック製の被せ物(クラウン)や薄いシェル(ラミネートベニア)を装着することで、歯の色、形、大きさ、そして歯並びの見た目を短期間で美しく整える「審美歯科治療」に分類されます。

つまり、歯の根の位置はそのままに、見える部分の見た目を人工的に作り変えることで、あたかも歯並びが綺麗になったかのように見せる治療法なのです。そのため、歯並びや噛み合わせを根本的に改善するのではなく、あくまで見た目の美しさを追求することに主眼が置かれています

1.1 セラミック矯正の基本的な仕組みと流れ

セラミック矯正は、以下のような流れで進められるのが一般的です。クリニックによって多少の違いはありますが、大まかなステップを理解しておきましょう。

  1. カウンセリング・診査診断: まず、患者様がどのような口元になりたいのか、具体的な希望や悩みを詳しくヒアリングします。その後、口腔内全体のチェック(虫歯、歯周病の有無など)、レントゲン撮影、歯型の採取などを行い、セラミック矯正が適しているか、どのような治療計画が最適かを診断します。治療のメリットだけでなく、リスクやデメリット、費用についてもこの段階でしっかりと説明を受けることが重要です。
  2. シミュレーション: 治療後の仕上がりイメージを具体的に確認するために、模型やコンピューターグラフィック(CG)を用いたシミュレーションを行うことがあります。これにより、術後のイメージを共有し、納得した上で治療に進むことができます。
  3. 歯の形成(歯を削る): セラミックの被せ物を装着するためのスペースを作るため、治療対象となる歯の表面を削ります。削る量は、元の歯並びの状態や選択するセラミックの種類によって異なりますが、健康な歯であっても削る必要がある点は理解しておく必要があります。歯並びの乱れが大きい場合や、歯の傾きを大きく変えたい場合には、歯の神経(歯髄)を取り除く処置(抜髄)が必要になることもあります。
  4. 精密な型取り: 削った歯の精密な型を取ります。この型をもとに、歯科技工士がオーダーメイドのセラミック歯を製作します。
  5. 仮歯の装着: セラミック歯が完成するまでの間、削った歯を保護し、日常生活での見た目や食事に支障が出ないように、仮歯を装着します。仮歯の段階で、最終的な歯の形や色について、さらに調整や確認を行うこともあります。
  6. セラミック歯の試適・装着: 完成したセラミック歯を実際に口の中で合わせてみて、色、形、適合具合、噛み合わせなどを最終チェックします。問題がなければ、専用の歯科用接着剤で歯にしっかりと装着します。
  7. 最終調整・メンテナンス: 装着後、噛み合わせの微調整などを行い、治療は完了となります。治療後は、セラミック歯を長持ちさせるために、定期的な検診とクリーニング(メンテナンス)が非常に重要になります。

1.2 ワイヤー矯正やマウスピース矯正との違い

セラミック矯正と、一般的に「歯列矯正」として知られるワイヤー矯正やマウスピース矯正(インビザラインなど)は、歯並びを美しく見せるという点では共通の目的を持つことがありますが、その治療アプローチ、期間、適応、メリット・デメリットは根本的に異なります。どちらが良い・悪いではなく、ご自身の希望や口腔内の状態に合わせて選択することが大切です。

主な違いを以下の表にまとめました。

項目 セラミック矯正 ワイヤー矯正・マウスピース矯正
治療分類 審美歯科治療 矯正歯科治療
治療方法 歯を削り、セラミック製の人工歯(被せ物やシェル)を装着する 自身の歯に矯正力を加え、時間をかけて歯根から動かす
治療期間 短い(数週間~数ヶ月程度) ※通院回数は比較的少ない 長い(数ヶ月~数年単位) ※定期的な通院が必要
歯の切削 必須(健康な歯も削る) 神経処置が必要な場合もある 基本的に不要 ※抜歯や歯の側面をわずかに削る処置(IPR)を行うことはある
歯の色・形の変更 可能(理想の色や形をデザインしやすい) ホワイトニング効果も得られる 基本的には不可(歯の移動のみ) ※別途ホワイトニングが必要
適応症例 軽度~中程度の歯並びの乱れ、歯の色や形のコンプレックス解消、短期間での審美改善を希望する場合 幅広い歯並びの不正(叢生、出っ歯、受け口、すきっ歯など)、噛み合わせの改善
後戻り 基本的に少ない(人工歯のため歯自体は動かない) ※ただし土台の歯周病などには注意 あり得る ※治療後に保定装置(リテーナー)の使用が必須
神経への影響 歯を削る量によっては、神経を取る処置が必要になるリスクがある 基本的にない ※ごく稀に歯根吸収のリスクがある
費用 比較的高額(自由診療) 本数により総額が変動 比較的高額(自由診療が主) 治療範囲や期間により変動

このように、セラミック矯正は「短期間で」「歯の色や形も含めて」見た目を劇的に変えたい場合に有効な選択肢となり得ますが、健康な歯を削るという大きなデメリットも伴います。一方、ワイヤー矯正やマウスピース矯正は時間はかかりますが、自身の歯を健康な状態で動かし、根本的な歯並びや噛み合わせを改善することを目指します。

1.3 セラミック矯正で使われる主な素材 ジルコニアなど

セラミック矯正の「セラミック」とは、陶材のことを指しますが、実際には様々な種類の素材が用いられています。どの素材を選ぶかによって、見た目の自然さ、強度、耐久性、そして費用が大きく異なります。歯科医師と相談し、治療する部位やご自身の希望に合った素材を選ぶことが重要です。

現在、日本国内の審美歯科治療で主に使用されているセラミック素材には、以下のようなものがあります。

素材名 主な特徴 メリット デメリット 主な適用部位
オールセラミック (e.maxなど) ガラス系セラミック(二ケイ酸リチウムガラスセラミックなど)を主成分とし、金属を一切使用しない素材。透明感が高く、天然歯に非常に近い色調と質感を再現できる。 最も審美性に優れ、自然な仕上がり。変色や着色がほとんどない。プラークが付着しにくい。金属アレルギーの心配がない。 ジルコニアと比較すると強度がやや劣るため、強い力がかかる奥歯やブリッジには不向きな場合がある。比較的費用が高額。 前歯など、特に審美性が求められる部位のクラウンやラミネートベニア。
ジルコニアセラミック 「人工ダイヤモンド」とも呼ばれる非常に硬いジルコニアをフレームに使用し、その上にセラミックを焼き付けたもの(レイヤリング)や、ジルコニア単体(フルジルコニア)で使用するものがある。 非常に強度が高く、耐久性に優れる。奥歯やブリッジにも適用可能。審美性も高い(特にレイヤリングタイプ)。金属アレルギーの心配がない。 オールセラミックに比べると透明感でやや劣る場合がある(特にフルジルコニア)。硬すぎるため、噛み合う相手の歯を摩耗させる可能性がある。比較的高額。 前歯から奥歯、ブリッジまで幅広い部位に適用可能。
ハイブリッドセラミック セラミックの微細な粒子と、レジン(歯科用プラスチック)を混ぜ合わせた素材。 オールセラミックやジルコニアより安価。適度な柔軟性があり、周囲の歯や噛み合う歯を傷つけにくい。 長期間の使用で変色やすり減りが起こる可能性がある。強度や耐久性はオールセラミックやジルコニアに劣る。プラークが付着しやすい傾向がある。 主に奥歯の詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)。CAD/CAM技術を用いたものは「CAD/CAM冠」として一部保険適用される場合がある。
メタルボンド 内側に金属のフレームを使用し、その外側にセラミックを焼き付けた、従来からあるタイプの被せ物。 金属フレームがあるため強度が高く、ブリッジなどにも使用できる。比較的長い臨床実績がある。 金属アレルギーのリスクがある。歯茎と被せ物の境目が黒ずんで見えることがある(ブラックマージン)。光の透過性がなく、オールセラミックほどの自然な透明感は得られない。 主に奥歯やブリッジなど、強度が必要とされる部位。近年は審美性やアレルギーの観点から、オールセラミックやジルコニアを選択するケースが増えている。

最近のトレンドとしては、金属を使用しないメタルフリー治療が主流となっており、審美性と生体親和性(体への優しさ)の観点から、オールセラミック(特にe.max)やジルコニアセラミックが人気を集めています。それぞれの素材の特性を理解し、ご自身のライフスタイルや予算、そして歯科医師の診断に基づいて、最適なものを選択しましょう。

2. 多くの芸能人がセラミック矯正を選ぶ理由

テレビや雑誌、SNSなどで活躍する芸能人の多くが、美しい口元を維持するために歯のケアに高い意識を持っています。特に、歯並びや歯の色を短期間で劇的に改善できるセラミック矯正は、多忙なスケジュールの中で最高のパフォーマンスを求められる芸能人にとって、魅力的な選択肢の一つとなっています。なぜ多くの芸能人がセラミック矯正を選ぶのか、その具体的な理由を詳しく見ていきましょう。

2.1 短期間で理想の歯並びと白さを手に入れられる

セラミック矯正の最大の魅力の一つは、治療期間の短さです。従来のワイヤー矯正やマウスピース矯正が年単位の時間を要するのに対し、セラミック矯正は歯を削ってセラミックの被せ物(クラウン)を装着するため、数週間から数ヶ月という短期間で歯並びと歯の色を同時に改善できます。急な仕事の依頼や、すぐに結果を出したい芸能人にとって、この即効性は非常に大きなメリットとなります。歯並びのコンプレックスと歯の黄ばみを一度に解消し、理想的な口元を手に入れることが可能です。

2.2 見た目の印象が大きく変わる審美性の高さ

セラミック矯正で使用されるセラミック素材は、天然の歯に近い自然な色調と透明感を再現できるため、非常に審美性が高いのが特徴です。歯の色を自分の理想の白さに調整できるだけでなく、歯の形や大きさ、歯と歯のすき間などもデザインすることが可能です。これにより、笑顔の印象が劇的に向上し、顔全体の雰囲気まで明るく見せる効果が期待できます。人前に立ち、常に最高の笑顔を求められる芸能人にとって、この審美性の高さはセラミック矯正を選ぶ大きな動機となります。

単に歯を白くするだけでなく、歯並びのラインや全体のバランスを整えることで、より洗練された美しい口元を実現できるのです。

2.3 テレビ映りや写真写りを意識した職業上の理由

高画質のテレビ放送や大画面での映画上映、雑誌のグラビア、SNSでのアップ写真など、現代の芸能活動では、細部まで鮮明に映し出される機会が非常に多いです。そのため、歯並びのわずかな乱れや歯の色のくすみも目立ってしまう可能性があります。カメラ映りや写真写りを常に意識し、最高の状態を保ちたいと考える芸能人にとって、セラミック矯正による完璧な歯並びと白さは、プロフェッショナルとしての意識の表れとも言えます。清潔感があり、整った白い歯は、好感度や信頼感にも繋がり、結果的に仕事の幅を広げる可能性も秘めています。

2.4 多忙な芸能人のスケジュールでも治療しやすい

芸能人の仕事はスケジュールが不規則で、長期にわたる定期的な通院が難しいケースも少なくありません。ワイヤー矯正やマウスピース矯正は、調整や経過観察のために月に1回程度の通院が長期間必要になることが一般的です。一方、セラミック矯正は、歯を削る処置や型取り、装着など、比較的少ない通院回数で治療を完了させることが可能です。治療計画によっては、短期間に集中して通院することで、効率的に治療を進めることもできます。このような治療スケジュールの柔軟性は、多忙を極める芸能人にとって大きなメリットと言えるでしょう。

2.5 藤田ニコルさんもセラミック矯正!?

人気モデル・タレントの藤田ニコルさんは、ご自身のSNSやメディアなどで、セラミック矯正を受けたことを公表されています。以前から歯並びを気にされていたようで、短期間で歯並びと白さを改善できるセラミック矯正を選んだと語っています。治療後の美しい口元は、彼女の明るい笑顔をさらに引き立てています。このように、実際にセラミック矯正を選択し、その結果に満足している芸能人がいることも、他の芸能人や一般の方がセラミック矯正に関心を持つきっかけの一つとなっています。ただし、セラミック矯正はメリットだけでなく、デメリットやリスクも伴う治療法であることを理解しておくことが重要です。

この投稿をInstagramで見る

藤田ニコル(@2525nicole2)がシェアした投稿

3. 芸能人も重視するセラミック矯正のメリット

多くの芸能人がセラミック矯正を選択する背景には、見た目の美しさや治療期間など、彼らの職業やライフスタイルに合致した多くのメリットが存在します。ここでは、セラミック矯正が持つ具体的な利点について詳しく解説します。

3.1 治療期間が短い 即効性が期待できる

セラミック矯正の最大のメリットの一つは、歯を動かす矯正治療と異なり、歯を削ってセラミックの被せ物(クラウン)を装着するため、治療期間が圧倒的に短いことです。ワイヤー矯正やマウスピース矯正では、歯を少しずつ動かしていくため、一般的に数ヶ月から数年単位の期間が必要となります。

しかし、セラミック矯正の場合、歯の形や色、並びを被せ物によって改善するため、最短であれば数週間から1〜3ヶ月程度、通院回数も数回で完了するケースが多いです。撮影やイベントなど、特定の期日までに歯並びを整えたいというニーズを持つ芸能人にとって、この「即効性」は非常に大きな魅力となります。多忙なスケジュールの中でも、比較的短期間で理想的な口元を手に入れられる点は、セラミック矯正が選ばれる大きな理由と言えるでしょう。

3.2 歯の色や形を自由にデザインしやすい

セラミック矯正は、単に歯並びを整えるだけでなく、歯の色合い、形、大きさ、歯並びのラインまで、患者さんの希望に合わせてオーダーメイドでデザインできる点も大きなメリットです。天然の歯に近い自然な色合いから、芸能人のような透明感のある白い歯まで、豊富なカラーバリエーションの中から理想の色を選ぶことができます。

また、歯の形についても、丸みを持たせた可愛らしい印象、シャープで知的な印象など、顔立ちや全体のバランスを見ながら、ミリ単位での調整が可能です。これにより、歯並びだけでなく、歯の色や形を含めたトータルでの審美性の向上が期待でき、理想のスマイルラインを実現しやすくなります。ホワイトニングでは改善が難しい、生まれつきの歯の色や、テトラサイクリン歯などの変色にも対応できる場合があります。テレビや写真など、メディアでの見え方を重視する芸能人にとって、細部までこだわった美しい口元を作れる点は、非常に価値が高いと言えます。

3.3 後戻りの心配が少ない

ワイヤー矯正やマウスピース矯正といった歯を動かす治療法では、治療後に歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起こる可能性があります。そのため、治療後にはリテーナー(保定装置)と呼ばれる装置を一定期間装着し、歯並びを安定させる必要があります。

一方、セラミック矯正は、歯を物理的に動かすわけではなく、削った歯にセラミックの被せ物をして形を整える治療法のため、矯正治療後に起こりやすい「後戻り」の心配が基本的にありません。一度治療が完了すれば、セラミッククラウン自体の破損や脱離がない限り、その美しい歯並びと形が維持されます。治療後のメンテナンスの手間が比較的少なく、長期的に安定した審美性を保ちやすい点も、多忙な芸能人にとってはメリットと感じられるでしょう。ただし、土台となるご自身の歯や歯茎の健康状態が悪化すると、トラブルの原因となる可能性はあります。

3.4 金属アレルギーの心配がない場合も

従来の歯科治療で用いられる銀歯や、一部の差し歯(メタルボンドなど)には金属が使用されており、金属アレルギーを持つ方にとっては治療の選択肢が限られることがありました。また、金属が溶け出して歯茎が黒ずむ「メタルタトゥー」の原因となることもあります。

セラミック矯正で主に使用されるオールセラミックやジルコニアといった素材は、金属を一切使用していません。そのため、金属アレルギーの心配がある方でも、安心して治療を受けられる可能性が高いです。生体親和性(体への馴染みやすさ)にも優れており、身体への負担が少なく、アレルギー反応のリスクを低減できる点は大きなメリットです。見た目の美しさだけでなく、身体への優しさという観点からも、セラミック素材は高く評価されています。ただし、被せ物の土台(コア)に金属を使用する場合もあるため、完全にメタルフリーを希望する場合は、事前のカウンセリングで歯科医師にしっかりと相談し、使用する素材を確認することが重要です。

4. 後悔しないために知るべきセラミック矯正のリスクとデメリット

セラミック矯正は、短期間で理想的な歯並びと白さを手に入れられる魅力的な治療法ですが、メリットばかりではありません。治療後に後悔しないためには、事前にリスクやデメリットを正しく理解しておくことが極めて重要です。ここでは、セラミック矯正を検討する上で必ず知っておきたい注意点を詳しく解説します。

4.1 健康な歯を削る必要があること

セラミック矯正の最大のリスクとも言えるのが、健康な歯を削る必要がある点です。セラミッククラウン(被せ物)を装着するためのスペースを確保するため、歯の表面を全周にわたって削り取る必要があります。削る量は、元の歯並びや歯の傾き、目指す歯の形によって異なりますが、一般的にはエナメル質だけでなく、その内側にある象牙質まで削ることが多いです。

ワイヤー矯正やマウスピース矯正が、自身の歯を動かして歯並びを整えるのに対し、セラミック矯正は歯を削って上から被せ物をするため、一度削った歯は二度と元に戻りません。歯を削る量が多くなればなるほど、歯の寿命が短くなる可能性や、歯がしみやすくなる知覚過敏のリスクが高まります。この不可逆的な処置であることを十分に理解し、本当に自分に必要な治療なのか慎重に判断する必要があります。

マウスピース矯正は時間がかかりますが、セラミック矯正のように歯をたくさん削ることは少ないです。マウスピース矯正については
他にまとめたものがございますので、そちらをご覧ください。

マウスピース矯正は後戻りしやすい?原因と保定方法・再治療の必要性まで徹底解説

4.2 歯の神経への影響と処置の可能性

歯を削る量が多い場合や、歯の傾きを大きく修正する必要がある場合、歯の中心部にある歯髄(神経や血管)に近接することがあります。これにより、治療中や治療後に歯がしみたり、痛みを感じたりするリスクがあります。

さらに、痛みが強く出る場合や、将来的な感染のリスクを避けるために、予防的に歯の神経を抜く処置(抜髄)が行われることがあります。神経を抜いた歯は、栄養の供給が途絶えるため、時間とともに脆くなり、枯れ木のようにもろくなり、将来的に歯根が割れてしまう(歯根破折)リスクが高まります。また、神経を抜いた歯は徐々に黒ずんでくることもあります。セラミッククラウンで覆われていれば変色は目立ちませんが、歯自体の健康は損なわれる可能性があることを認識しておく必要があります。

4.3 費用が高額になりやすい点

セラミック矯正は、歯並びや歯の色を改善する審美目的の治療とみなされるため、原則として健康保険が適用されない自由診療(自費診療)となります。そのため、治療費は全額自己負担となり、比較的高額になります。

費用が高額になる主な理由は以下の通りです。

  • 高品質なセラミック材料(ジルコニア、e-maxなど)を使用するため、材料費がかかる。
  • 歯科技工士がオーダーメイドで精密なセラミッククラウンを作製するため、技工料がかかる。
  • 審美歯科治療に関する専門的な知識や技術、設備が必要とされるため、技術料がかかる。

治療する歯の本数が増えれば、それに比例して総額も大きくなります。1本あたり10万円以上かかることも珍しくなく、多くの歯を治療する場合は数百万円単位の費用になる可能性も考慮に入れる必要があります。費用については、次の章で詳しく解説しますが、経済的な負担が大きい点は大きなデメリットと言えるでしょう。

4.4 破損や脱離のリスクとメンテナンス

セラミックは天然歯に近い色調と質感を持つ優れた素材ですが、陶材であるため、強い衝撃や過度の力が加わると、割れたり欠けたりする(破損)リスクがあります。例えば、硬い食べ物を不用意に噛んだり、転倒して顔をぶつけたりした場合、あるいは無意識に行っている歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合などは、破損のリスクが高まります。

また、セラミッククラウンを歯に装着している接着剤が、時間の経過や唾液の影響、噛み合わせの変化などによって劣化し、クラウンが外れてしまう(脱離)可能性もあります。万が一、破損や脱離が起きた場合は、再製作や再装着が必要となり、追加の費用と時間がかかることになります。

こうしたリスクを最小限に抑え、セラミッククラウンを長持ちさせるためには、治療後の定期的な歯科検診と専門的なクリーニング(メンテナンス)が不可欠です。検診では、噛み合わせのチェック、クラウンの状態確認、接着剤の劣化具合などを確認し、問題があれば早期に対処することができます。

4.5 セラミック矯正が適さないケース

セラミック矯正は誰にでも適している治療法ではありません。以下のようなケースでは、セラミック矯正が適さない、あるいはリスクが高くなる可能性があります。

セラミック矯正が適さない、または慎重な判断が必要なケース 主な理由 推奨される対応・注意点
重度の歯周病がある方 歯茎の状態が悪く、歯を支える骨が溶けている場合、歯を削る刺激や被せ物によってさらに悪化する可能性がある。土台となる歯が不安定。 まず歯周病の治療を優先し、歯茎の状態を安定させる必要がある。
顎関節症など、噛み合わせに大きな問題がある方 根本的な噛み合わせの問題を解決せずに見た目だけを整えると、顎関節への負担が増加したり、セラミックが破損しやすくなったりする。 矯正治療や噛み合わせ治療を検討する必要がある。
重度の歯ぎしりや食いしばりがある方 セラミックに過度な力がかかり、破損のリスクが非常に高い。 ナイトガード(マウスピース)の装着が必須となる場合が多い。歯科医師と相談の上、慎重に判断する必要がある。
虫歯が進行し、歯根しか残っていないような場合 被せ物を支えるだけの十分な歯質が残っていない可能性がある。 抜歯や他の治療法(インプラント、ブリッジ、入れ歯など)を検討する必要がある。
成長期にある未成年の方(目安として18歳未満) 顎の骨や歯並びがまだ成長・変化している途中であり、治療後に噛み合わせがずれる可能性がある。 顎の成長が完了するまで待つか、ワイヤー矯正など他の方法を検討する。
健康な歯を削ることに強い抵抗がある方 セラミック矯正は歯を削ることが前提の治療法であるため。 歯を削らない、または削る量が少ないワイヤー矯正やマウスピース矯正を検討する。

これらのケースに該当する場合、無理にセラミック矯正を選択すると、期待通りの結果が得られないばかりか、かえって口腔内の健康を損なうリスクがあります。ご自身の歯や顎の状態がセラミック矯正に適しているかどうか、必ず事前に歯科医師に詳細な診査・診断を受け、十分に相談することが重要です。

5. 気になる芸能人のセラミック矯正 費用相場を解説

多くの芸能人が選択しているセラミック矯正ですが、その美しい仕上がりと引き換えに、費用が高額になるというイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。実際に、セラミック矯正は自由診療であり、健康保険が適用されないため、全額自己負担となります。この章では、気になるセラミック矯正の費用相場や内訳、そして費用を考える上での注意点について詳しく解説していきます。

5.1 セラミック矯正の一般的な費用内訳

セラミック矯正の総額は、単にセラミックの歯(クラウン)の代金だけでなく、様々な費用が含まれて構成されています。クリニックによって料金体系は異なりますが、一般的に含まれる可能性のある項目は以下の通りです。

項目 内容 備考
カウンセリング料 治療に関する相談や説明を受けるための費用。 無料カウンセリングを実施しているクリニックも多い。
検査・診断料 レントゲン撮影、CT撮影、歯型採取、口腔内写真撮影など、治療計画を立てるために必要な検査にかかる費用。 精密な診断には欠かせない費用。
仮歯(テック)作製・装着料 最終的なセラミッククラウンが入るまでの間、削った歯を保護し、見た目を保つための仮歯の費用。 治療期間中の審美性や機能維持に重要。
セラミッククラウン(被せ物)代 使用するセラミック素材(ジルコニア、e.maxなど)の種類や品質、製作する歯科技工所の技術料などによって変動する、セラミックの歯そのものの費用。 総額の中で最も大きな割合を占めることが多い。
装着・調整料 出来上がったセラミッククラウンを歯に装着し、噛み合わせなどを調整するための費用。 精密な装着と調整が、長期的な安定につながる。
麻酔料 歯を削る際などに使用する局所麻酔の費用。 痛みを軽減するために必要。
歯の神経の処置(根管治療)費用 歯を削る量が多い場合や、元々神経に近い虫歯があった場合などに、必要に応じて行われる神経の処置にかかる費用。 セラミック矯正前に必要となる場合がある。

これらの費用がすべてセットになっているプランを提示するクリニックもあれば、項目ごとに費用が発生するクリニックもあります。治療を開始する前に、総額に何が含まれているのか、追加で費用が発生する可能性はあるのかを必ず確認しましょう。

5.2 1本あたりの値段と本数による総額目安

セラミック矯正の費用を考える上で、最も分かりやすい指標となるのが「セラミッククラウン1本あたりの値段」です。これは、使用する素材の種類によって大きく異なります。

セラミックの種類 特徴 1本あたりの費用相場(目安)
オールセラミック(e.maxなど) 天然歯に近い透明感と色調再現性を持つ。主に前歯に使用される。 10万円~18万円程度
ジルコニアセラミック 非常に強度が高く、奥歯にも使用可能。審美性も高い。 12万円~20万円程度
メタルボンド 内側に金属を使用し、外側をセラミックで覆ったもの。強度が高いが、歯茎が黒ずむリスクがある。 8万円~15万円程度
ハイブリッドセラミック セラミックとプラスチックを混ぜ合わせた素材。比較的安価だが、変色しやすく耐久性はやや劣る。 5万円~10万円程度

上記の費用相場はあくまで目安であり、地域やクリニック、治療の難易度によって変動します。特に、芸能人のように人前に出る職業の方は、より審美性の高い素材(オールセラミックやジルコニア)を選択し、技術力の高い歯科技工士に製作を依頼するケースが多いため、1本あたりの費用も高くなる傾向があります。

また、セラミック矯正は1本だけ行うよりも、見える範囲の歯(一般的に上の前歯6本~8本)をまとめて治療することで、全体の歯の色や形、歯並びのバランスを整え、より自然で美しい口元を実現できます。芸能人の場合、さらに広範囲(上下合わせて12本~16本など)を治療することも少なくありません。そのため、治療本数が多くなり、総額も高額になります。

仮に1本あたり15万円のセラミッククラウンを使用した場合の総額目安は以下のようになります。

治療本数 総額目安(セラミッククラウン代のみ) 備考
6本 約90万円~ 上の前歯など、特に目立つ範囲
8本 約120万円~ 笑顔で見える範囲を広くカバー
12本 約180万円~ 上下の前歯など、より広範囲
16本 約240万円~ 上下の歯を広範囲にカバー

これに前述の検査料や仮歯代などが加わるため、芸能人が行うような広範囲のセラミック矯正では、総額が数百万円に達することも珍しくありません

5.3 保険適用は基本的にされない

繰り返しになりますが、セラミック矯正は「歯を白くしたい」「歯並びをきれいに見せたい」といった審美性の向上を主な目的とする治療であるため、原則として健康保険が適用されません。そのため、治療費は全額自己負担の自由診療となります。

ただし、虫歯治療などで部分的に被せ物が必要になった際に、保険適用の素材(銀歯など)ではなくセラミックを選択する場合は、その差額分が自己負担となります。また、事故などで歯が欠損し、ブリッジ治療などを行う際に、機能回復の観点からセラミックが選択肢となる場合もありますが、審美目的の「セラミック矯正」とは異なります。

なお、セラミック矯正を含む歯科治療費は、年間の医療費が一定額を超えた場合に、医療費控除の対象となる可能性があります。医療費控除は、審美目的だけでなく、咀嚼機能の回復など治療目的と認められる場合に適用されることがあります。ただし、適用可否の判断は個々の状況や税務署の判断によりますので、詳細は管轄の税務署や税理士にご確認ください。

5.4 クリニックによる費用差と選び方

セラミック矯正の費用は、同じ素材や本数であっても、クリニックによって大きく異なる場合があります。その主な理由は以下の点が挙げられます。

  • 立地条件: 都心部の一等地にあるクリニックは、家賃などのコストが反映され、費用が高くなる傾向があります。
  • 設備投資: 最新の歯科用CTやマイクロスコープ、CAD/CAMシステムなどの高度な設備を導入しているクリニックは、その投資分が費用に反映されることがあります。
  • 使用する素材の品質: 同じ「ジルコニア」でも、メーカーや品質グレードによって価格が異なります。高品質な素材を使用している場合は、費用も高くなります。
  • 歯科技工士の技術力: セラミッククラウンの製作を担当する歯科技工士の技術力や経験は、仕上がりの美しさや適合精度に直結します。腕の良い、あるいは著名な技工士に依頼する場合、技工料が高くなり、それが費用に反映されます。
  • 歯科医師の技術・経験: 審美歯科治療における歯科医師の経験や技術力、実績も費用に影響します。経験豊富な医師による精密な治療は、それに見合った費用設定となることがあります。
  • 保証制度やアフターケア: 治療後の保証期間の長さや、定期的なメンテナンス、トラブル発生時の対応など、アフターケアの内容が充実しているクリニックは、その分費用が高くなる場合があります。

このように、費用差には様々な理由があります。単に「安い」という理由だけでクリニックを選ぶことは、仕上がりの不満や後々のトラブルにつながるリスクがあります。費用はもちろん重要ですが、それだけでなく、カウンセリングの丁寧さ、医師やスタッフの対応、症例実績、保証内容などを総合的に比較検討し、信頼できるクリニックを選ぶことが、満足のいくセラミック矯正を受けるために最も重要です。次の章では、クリニック選びの具体的なポイントについて解説します。

6. セラミック矯正を受ける歯科医院選びの重要ポイント

セラミック矯正は、美しく自然な歯を手に入れるための有効な選択肢ですが、治療の成功と満足度は歯科医院選びに大きく左右されます。特に芸能人のような高い審美性が求められるケースでは、慎重なクリニック選びが不可欠です。ここでは、後悔しないための歯科医院選びの重要ポイントを詳しく解説します。

6.1 審美歯科治療の実績や症例数を確認する

セラミック矯正は、虫歯治療などとは異なり、高度な技術と美的センスが求められる審美歯科治療です。そのため、歯科医院を選ぶ際には、以下の点を重点的に確認しましょう。

6.1.1 セラミック矯正の症例数と多様性

まず確認したいのが、セラミック矯正の治療実績、特に症例数です。多くの症例を手がけているクリニックは、それだけ経験が豊富であり、様々な歯並びや要望に対応できる可能性が高いと言えます。公式サイトやカウンセリング時に、具体的な症例写真(ビフォーアフター)を見せてもらい、仕上がりのクオリティやデザインの傾向を確認しましょう。特に、ご自身の歯並びや希望に近い症例があるかどうかも重要な判断材料となります。

6.1.2 担当医の経歴や専門性

セラミック矯正を担当する歯科医師の経歴や専門性も重要です。審美歯科に関する学会に所属しているか、関連する資格(例:日本歯科審美学会認定医など)を保有しているかなどを確認すると良いでしょう。また、補綴(ほてつ:被せ物や入れ歯など)治療に関する知識や経験も、セラミック矯正の質に影響します。担当医がどのような研鑽を積んでいるか、得意とする治療分野は何かを把握しておきましょう。

6.1.3 院内の設備(マイクロスコープ、CAD/CAMシステムなど)

精密な治療を行うためには、最新の設備が整っているかもポイントです。例えば、肉眼の何倍もの視野で精密な形成や接着を行える「マイクロスコープ」や、コンピューターでセラミックの詰め物・被せ物を設計・製作する「CAD/CAMシステム」などが導入されていると、より精度の高い治療が期待できます。設備が充実しているクリニックは、治療の質向上に投資している証とも言えます。

6.2 事前のカウンセリングが丁寧か

治療前のカウンセリングは、患者と歯科医師の認識をすり合わせ、信頼関係を築くための非常に重要なプロセスです。以下の点をチェックしましょう。

6.2.1 悩みや希望をしっかり聞いてくれるか

まず、あなたの歯に関する悩みや、どのような歯になりたいかという希望を丁寧にヒアリングしてくれるかが重要です。一方的に治療法を説明するのではなく、あなたの話を真摯に聞き、共感してくれる姿勢があるかを確認しましょう。質問しやすい雰囲気かどうかも大切です。

6.2.2 治療計画やリスクの説明が十分か

セラミック矯正のメリットだけでなく、デメリットやリスク(歯を削る量、神経への影響、破損の可能性など)についても、包み隠さず分かりやすく説明してくれるかを確認してください。複数の治療選択肢がある場合は、それぞれのメリット・デメリットを比較説明し、あなたにとって最適なプランを提案してくれるかも重要です。治療期間や費用の見積もりについても、明確な説明を求めましょう。

6.2.3 シミュレーションや模型を用いた説明

言葉だけの説明では、治療後のイメージを具体的に掴むのが難しい場合があります。治療後の歯並びや色をシミュレーション(デジタルシミュレーションやワックスアップ模型など)で見せてくれるクリニックであれば、より安心して治療に臨むことができます。自分の口の中の写真やレントゲン画像を見ながら説明してくれるかも確認ポイントです。

6.3 保証制度やアフターケア体制の充実度

セラミック矯正は治療後のメンテナンスも重要です。長期的に安心して美しい歯を維持するためには、保証制度やアフターケア体制が整っているクリニックを選びましょう。

6.3.1 セラミックの保証期間と内容

多くのクリニックでは、セラミックの被せ物に対して保証期間を設けています。しかし、保証期間の長さ(例:3年、5年、10年など)や保証の対象となる条件(例:通常使用での破損、脱離など)はクリニックによって異なります。保証を受けるための条件(定期検診の受診義務など)もしっかり確認しましょう。保証書が発行されるかも確認しておくと安心です。

確認項目 チェックポイント
保証期間 何年間の保証が付いているか?
保証対象 どのような場合に保証が適用されるか?(破損、脱離、変色など)
保証条件 保証を受けるために必要な条件は何か?(定期検診の受診など)
保証書 保証内容が明記された書面が発行されるか?

6.3.2 定期検診やメンテナンスの体制

セラミックの歯を長持ちさせ、口腔内全体の健康を維持するためには、定期的な検診とプロフェッショナルケアが不可欠です。治療後の定期検診の頻度や内容、クリーニングなどのメンテナンス体制が整っているかを確認しましょう。トラブルが発生した場合に、迅速に対応してくれるかも重要なポイントです。

6.3.3 トラブル発生時の対応

万が一、セラミックが欠けたり外れたりした場合の対応フローや費用負担について、事前に確認しておくと安心です。夜間や休日の緊急連絡先があるかどうかも、クリニックによっては確認しておくと良いでしょう。

6.4 複数のクリニックで比較検討する

セラミック矯正は自由診療であり、クリニックによって治療方針、費用、得意分野などが異なります。そのため、最初から1つのクリニックに絞らず、複数のクリニックでカウンセリングを受け、比較検討することをおすすめします。

6.4.1 カウンセリングでの比較ポイント

複数のクリニックでカウンセリングを受ける際には、以下の点を比較してみましょう。

  • 医師やスタッフの対応、説明の分かりやすさ
  • 提案された治療計画の内容と費用
  • クリニックの雰囲気や清潔感
  • 症例写真のクオリティや好みとの一致度
  • 保証やアフターケアの内容
  • 立地や診療時間などの通いやすさ

これらの点を総合的に比較し、最も信頼でき、納得できるクリニックを選びましょう。費用だけで安易に決めるのではなく、治療の質や長期的な視点を持つことが大切です。

6.4.2 口コミや評判も参考に

インターネット上の口コミサイトやSNSでの評判も、クリニック選びの参考になります。ただし、情報は玉石混交であるため、鵜呑みにせず、あくまで参考程度に留めましょう。良い口コミだけでなく、悪い口コミの内容も確認し、自分にとって許容できる範囲かどうかを判断することが重要です。最終的には、ご自身がカウンセリングで感じた印象を最も重視してください。

7. 芸能人のセラミック矯正に関するよくある質問

セラミック矯正は、短期間で歯並びや歯の色を劇的に改善できる可能性があるため、人前に立つことの多い芸能人の方々にも注目されている治療法です。しかし、その一方で様々な疑問や不安の声も聞かれます。ここでは、芸能人のセラミック矯正に関してよく寄せられる質問について、詳しくお答えしていきます。

7.1 セラミック矯正の歯の寿命はどれくらい?

セラミック矯正で装着したセラミッククラウン(被せ物)の寿命は、一概に断定できるものではありませんが、一般的には10年から15年程度が目安とされています。ただし、これはあくまで平均的な数値であり、様々な要因によって大きく変動します。

寿命に影響を与える主な要因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • セラミックの素材: ジルコニアやe.maxなど、強度や耐久性に優れた素材を選ぶことで、より長持ちする傾向があります。
  • 噛み合わせ: 強い力がかかる部位や、歯ぎしり・食いしばりの癖がある場合は、破損のリスクが高まる可能性があります。
  • セルフケアの質: 毎日の丁寧な歯磨きや、デンタルフロス・歯間ブラシの使用など、適切なセルフケアが不可欠です。セラミックと歯茎の境目に汚れが溜まると、虫歯や歯周病の原因となり、寿命を縮めることにつながります。
  • 定期的な歯科検診とメンテナンス: 歯科医院での定期的なチェックとプロフェッショナルクリーニング(PMTC)は、問題を早期に発見し、セラミックを長持ちさせるために非常に重要です。芸能人の場合、常に最高の状態を保つため、一般の方より短い間隔でメンテナンスを受けている可能性も考えられます。

適切なケアとメンテナンスを行えば、15年、20年以上問題なく使用できるケースも少なくありません。逆に、ケアを怠ると数年でトラブルが起きてしまう可能性もあります。

7.2 セラミックの色は不自然に見えない?

「セラミックは白すぎて不自然に見えるのでは?」と心配される方もいらっしゃいますが、現在のセラミック材料と技術は非常に進歩しており、天然の歯と見分けがつかないほど自然な色調と質感を再現することが可能です。

歯科医院では、シェードガイドと呼ばれる色見本を用いて、患者様自身の天然歯の色や、希望される白さのトーンに合わせて、セラミックの色を細かく調整します。透明感や光の透過性も天然歯に近づけることができるため、のっぺりとした不自然な白さにはなりにくいです。

特に、ジルコニアセラミックやe.max(ニケイ酸リチウムガラスセラミック)といった素材は、審美性に優れており、自然で美しい仕上がりを期待できます。もちろん、芸能人のように、あえて一般的な歯よりも白く輝く色を選択することも可能ですが、その場合でも、顔の色や他の歯とのバランスを考慮し、経験豊富な歯科医師や歯科技工士が慎重に色を選定します。

不自然に見えてしまうケースがあるとすれば、それは技術的な問題や、周囲の歯との色の差が大きい場合などが考えられます。信頼できる審美歯科を選び、事前のカウンセリングでしっかりと希望を伝え、シミュレーションなどを活用することが、自然な仕上がりを得るための鍵となります。

7.3 治療中の痛みはありますか?

セラミック矯正では、歯を削る工程が必要になりますが、通常は局所麻酔を使用するため、治療中に痛みを感じることはほとんどありません。麻酔が効きにくい方や、痛みに特に敏感な方には、麻酔の方法を調整したり、場合によっては静脈内鎮静法などの選択肢を提案したりするクリニックもあります。

ただし、以下のようなタイミングで、痛みや違和感を感じる可能性はあります。

  • 麻酔注射時: 針を刺す瞬間のチクッとした痛み。表面麻酔を使用することで軽減できます。
  • 麻酔が切れた後: 歯を削った後や、神経の処置を行った後に、一時的な痛みや疼きが出ることがあります。通常は処方される痛み止めでコントロール可能です。
  • 仮歯装着時: 最終的なセラミックが入るまでの仮歯は、適合性が完全ではないため、しみたり、若干の違和感を感じたりすることがあります。
  • 神経への影響: 歯を削る量が多い場合、歯の神経(歯髄)に刺激が伝わり、一時的にしみたり、痛んだりすることがあります。場合によっては神経の処置(根管治療)が必要になることもあります。

痛みの感じ方には個人差がありますが、過度に心配する必要はありません。治療前に歯科医師から痛みの可能性や対処法について十分な説明を受け、不安な点は遠慮なく質問することが大切です。

7.4 セラミック矯正後の食事で気をつけること

セラミックの歯は天然歯に近い強度を持っていますが、全く破損しないわけではありません。特に治療直後や、長期的に良い状態を保つためには、食事に関していくつか注意点があります。

7.4.1 治療直後(仮歯期間中)

  • 硬い食べ物: ナッツ類、せんべい、氷、骨付き肉などは仮歯が割れたり外れたりする原因になるため避けてください。
  • 粘着性の高い食べ物: キャラメル、ガム、餅などは仮歯が外れるリスクがあります。
  • 色の濃い食べ物: 仮歯は着色しやすいため、カレーやコーヒー、赤ワインなどは控えるか、摂取後すぐに口をゆすぐようにしましょう。

7.4.2 セラミック装着後

最終的なセラミッククラウンが装着された後は、通常の食事を楽しむことができますが、以下の点に注意するとより長持ちさせることができます。

注意点 具体的な食品例 理由
極端に硬いものを噛むこと 氷、硬い飴、硬いナッツの殻、骨など セラミックが欠けたり割れたりするリスクがあります。
前歯で硬いものを噛み切ること 硬いパン、リンゴの丸かじり(特に前歯のみで治療した場合) 前歯のセラミックに過度な力がかかる可能性があります。
着色しやすい飲食物の過剰摂取 コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレー、醤油、ソースなど セラミック自体は着色しにくいですが、接着剤の部分や隣接する天然歯が着色する可能性があります。摂取後はうがいや歯磨きを心がけましょう。

特に芸能人の場合、食事シーンの撮影などもあるかもしれませんが、日頃からセラミックに負担をかけないような食習慣を意識していると考えられます。基本的には、ご自身の天然歯と同じように大切に扱うことが重要です。

7.5 芸能人は何本くらいセラミックにしているの?

テレビや雑誌で見かける芸能人の方々の美しい歯並びを見て、「何本くらいセラミックにしているのだろう?」と疑問に思う方も多いでしょう。しかし、これは個人の元々の歯並びや、目指す審美性のレベル、予算などによって大きく異なるため、一概に「何本」とは言えません

一般的に、審美目的でセラミック矯正を行う場合、笑った時に見える範囲、いわゆる「スマイルライン」を対象とすることが多いです。具体的には、

  • 上の前歯6本〜8本: 最も目立つ部分であり、この範囲を整えるだけでも印象が大きく変わります。
  • 下の前歯6本〜8本: 上の歯と合わせて治療することで、より全体のバランスが取れた口元になります。
  • 上下合わせて12本〜16本: より広範囲の歯並びや色を統一したい場合に選択されます。

中には、奥歯まで含めて多数の歯をセラミックにしている方もいるかもしれませんが、多くの芸能人は、特に目立つ前歯を中心に、必要な本数だけを治療しているケースが多いと考えられます。治療本数は、必ず歯科医師とのカウンセリングを通じて、口元の見え方や機能面、費用などを総合的に考慮して決定されます。

7.6 セラミック矯正とホワイトニングはどう違う?

歯を白く美しくしたいと考えたときに、セラミック矯正とホワイトニングが選択肢として挙がることがありますが、この二つは全く異なるアプローチです。

項目 セラミック矯正 ホワイトニング
目的 歯の色・形・並び・大きさの改善 歯の色(黄ばみなど)を白くする
方法 歯の表面を削り、セラミック製の被せ物(クラウン)や貼り付け物(ラミネートベニア)を装着する 専用の薬剤(過酸化水素や過酸化尿素など)を使って歯を漂白する
歯への処置 歯を削る必要がある(神経の処置が必要な場合も) 歯を削らない
治療期間 比較的短期間(数週間〜数ヶ月程度) 数回〜数ヶ月(効果の出方による)
色の変化 希望の色を自由に選択可能、変色しにくい 元の歯の色から数段階白くする、後戻り(再着色)がある
形の変化 可能 不可
歯並びの変化 可能(軽度〜中程度) 不可
対象の歯 神経のある歯、神経のない歯(失活歯)、詰め物・被せ物のある歯も可能 基本的に神経のある天然歯(詰め物・被せ物、失活歯には効果がないか限定的)
費用 比較的高額(1本あたり) セラミック矯正よりは安価

芸能人がセラミック矯正を選ぶ理由の一つは、ホワイトニングでは対応できない歯の形や並びの問題も同時に、かつ短期間で解決できる点にあります。自分の歯の状態や希望に合わせて、どちらの治療法が適しているか、あるいは両方を組み合わせるのが良いかなどを歯科医師と相談することが重要です。

7.7 治療後に歯茎が下がったり黒ずんだりすることはある?

セラミック矯正後の歯茎のトラブルについて心配される方もいます。可能性としてはゼロではありませんが、適切な治療とケアを行えばリスクを最小限に抑えることができます。

7.7.1 歯茎が下がる(歯肉退縮)

歯茎が下がる原因は様々で、セラミック矯正自体が直接の原因となるわけではありませんが、以下のような要因が関連する可能性があります。

  • 加齢や歯周病: これらはセラミック治療の有無に関わらず起こり得ます。
  • 不適切なブラッシング: 強い力で磨きすぎると歯茎を傷つけ、退縮の原因になります。
  • 被せ物の不適合: セラミッククラウンと歯の境目に段差があったり、形態が悪かったりすると、プラーク(歯垢)が溜まりやすくなり、歯肉炎や歯周病を引き起こし、結果的に歯茎が下がることがあります。精密な型取りと適合性の高いセラミックを作製・装着することが重要です。
  • 噛み合わせの問題: 特定の歯に過度な力がかかると、歯茎に負担がかかり下がることがあります。

7.7.2 歯茎の黒ずみ(ブラックマージン)

歯茎の縁が黒ずんで見える現象は「ブラックマージン」と呼ばれ、主に金属を使用したセラミッククラウン(メタルボンド)で起こりやすいとされています。これは、被せ物の内側にある金属が溶け出して歯茎に沈着したり、金属の色が歯茎から透けて見えたりすることが原因です。

現在主流のオールセラミック(ジルコニアやe.maxなど)は金属を一切使用しないため、このブラックマージンのリスクはほとんどありません。審美性を重視する芸能人の方々がオールセラミックを選ぶことが多い理由の一つでもあります。もしメタルボンドを選択する場合でも、金属部分が歯茎に触れないような工夫(ポーセレンマージン)をすることで、リスクを軽減できます。

これらのトラブルを防ぐためには、技術力の高い歯科医師を選び、適切な材料を選択し、治療後の定期的なメンテナンスと正しいセルフケアを継続することが不可欠です。

7.8 メンテナンスは具体的に何をするの?

セラミック矯正で美しい口元を手に入れた後、その状態を長く維持するためには、定期的な歯科医院でのプロフェッショナルメンテナンスと、日々のセルフケアが非常に重要になります。芸能人のような常に人に見られる職業の方は、特にこのメンテナンスを重視していると考えられます。

7.8.1 歯科医院での定期メンテナンス(通常3ヶ月〜半年に1回程度)

メンテナンス項目 内容
セラミックの状態チェック 欠け、割れ、ひび、摩耗、脱離(外れかかっているか)などを確認します。
適合状態の確認 セラミックと歯の境目に段差や隙間がないか、プラークが溜まりやすくなっていないかを確認します。
噛み合わせのチェック 治療後に噛み合わせが変化していないか、特定の歯に過度な負担がかかっていないかを確認し、必要であれば調整します。
歯周組織の検査 歯茎の腫れや出血、歯周ポケットの深さなどを測定し、歯周病の兆候がないかを確認します。
虫歯のチェック セラミックの根元や隣接する天然歯に虫歯(二次カリエス)ができていないかを確認します。レントゲン撮影を行うこともあります。
プロフェッショナルクリーニング(PMTC) 専用の機器やペーストを使用して、日常の歯磨きでは落としきれない歯垢や歯石、着色汚れを徹底的に除去します。
セルフケア指導 個々の口内状況に合わせた適切な歯磨き方法や、デンタルフロス、歯間ブラシの使い方などを再確認・指導します。

7.8.2 日々のセルフケア

  • 丁寧なブラッシング: 歯と歯茎の境目、セラミックと天然歯の境目を意識して、優しく丁寧に磨きます。
  • デンタルフロス・歯間ブラシの使用: 歯と歯の間や、セラミックと歯茎の隙間は汚れが溜まりやすいため、必ず補助清掃用具を使用しましょう。
  • ナイトガードの使用(該当する場合): 歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、就寝中にセラミックへ過度な負担がかかるのを防ぐため、マウスピース(ナイトガード)の使用が推奨されます。

これらのメンテナンスを怠ると、セラミックの寿命が短くなるだけでなく、虫歯や歯周病といった新たなトラブルを引き起こす可能性があります。

7.9 セラミック矯正はやり直しできる?

万が一、セラミック矯正の結果に満足できなかったり、治療後に問題が発生したりした場合、「やり直し(再治療)は可能なのか?」という点は非常に気になるところだと思います。結論から言うと、セラミック矯正のやり直しは基本的に可能です。

再治療が必要となる主なケースには、以下のようなものがあります。

  • セラミックの破損(欠け、割れ)
  • セラミックの脱離(外れてしまう)
  • 色や形、歯並びなど審美的な不満
  • セラミックの下や境目での虫歯(二次カリエス)の発生
  • 歯周病の進行による歯茎の変化
  • 噛み合わせの変化や不具合

ただし、再治療にはいくつかの注意点やリスクも伴います。

  • 歯をさらに削る可能性: 古いセラミックを除去し、状態によっては歯の形を整え直すために、さらに歯質を削る必要がある場合があります。削る量が増えれば、歯の寿命や神経への影響も懸念されます。
  • 神経への影響: 再治療によって歯髄(神経)への刺激が加わり、痛みが出たり、場合によっては神経の処置が必要になったりするリスクが高まる可能性があります。
  • 費用: クリニックの保証期間内であれば無償または一部負担で対応してもらえる場合もありますが、保証期間外や自己都合による再治療の場合は、基本的に再度治療費がかかります

これらのリスクを考慮すると、最初の治療で、技術力が高く信頼できる歯科医師・クリニックを選び、納得いくまでカウンセリングを受け、精密な治療を受けることが、再治療を避ける上で最も重要であると言えます。芸能人のように審美性への要求が高い場合は、特に慎重なクリニック選びが求められます。

7.10 保険適用外なら医療費控除は使える?

セラミック矯正は、多くの場合、歯の見た目を改善する「審美目的」の治療とみなされるため、原則として健康保険が適用されず、治療費は全額自己負担となります。そのため、費用が高額になりがちです。

では、保険適用外の治療費は、確定申告の際に医療費控除の対象になるのでしょうか?

医療費控除は、一年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、所得控除を受けられる制度ですが、美容目的の費用は対象外とされています。したがって、セラミック矯正が純粋な審美目的(例:歯の色をもっと白くしたい、形をモデルのようにしたい)と判断される場合は、医療費控除の対象にはなりません。

しかし、セラミック治療が、虫歯や歯周病の治療、欠損した歯の補綴、あるいは噛み合わせの改善など、歯の機能回復を主な目的として行われる場合には、医療費控除の対象となる可能性があります。例えば、古い金属の詰め物や被せ物を、機能的にも審美的にも優れたセラミックに替える場合や、噛み合わせが悪く咀嚼機能に問題があるためセラミックで改善する場合などが考えられます。

最終的に医療費控除の対象となるかどうかは、治療の目的や内容に基づき、税務署が判断します。対象となる可能性がある場合は、歯科医師にその旨を伝え、診断書や治療内容がわかる領収書などを保管しておく必要があります。

判断に迷う場合は、事前に管轄の税務署や税理士に相談することをおすすめします。芸能人の場合も、治療目的によっては医療費控除を申請している可能性はありますが、一般的には審美目的とみなされるケースが多いと考えられます。

8. まとめ

多くの芸能人がセラミック矯正を選ぶ理由は、短期間で歯並びと白さを劇的に改善でき、審美性が高く、多忙な中でも治療を進めやすい点にあります。テレビや写真での見栄えが重視される職業ならではの選択と言えるでしょう。しかし、健康な歯を削る必要があり、神経への影響や高額な費用、破損リスクといったデメリットも存在します。メリット・デメリット双方を深く理解し、実績のある信頼できるクリニックで十分なカウンセリングを受けることが、後悔しないセラミック矯正治療の鍵となります。

矯正治療のご相談をご希望の方は、下記のボタンよりお気軽にご予約ください。

この記事の監修者

尾立 卓弥(おだち たくや)

医療法人札幌矯正歯科 理事長
宮の沢エミル矯正歯科 院長

北海道札幌市の矯正専門クリニック「宮の沢エミル矯正歯科」院長。
日本矯正歯科学会 認定医。

expand_less
011-666-7500 LINE 無料相談 / 予約 WEB予約